女神様の絵本箱

「涼宮ハルヒの憂鬱」の二次創作小説ブログです♪ 基本甘々ハルキョンキョンハルメインです(^▽^)/ 先ずはSSリストよりどうぞなのです

“好き”って魔法の言葉だと思わない???⑨(キョン君視点)

“好き”って魔法の言葉だと思わない???


・粗筋:……やっとこさ、己の想いに気が付いたキョン君なのです。


*****


「続きを読む」からは ……

 キョン君視点⑨:
【これが“今がその時”ってヤツなんだろうさ(Let It Be……か)】


……になりまーす(^▽^)/


 超レア物オープンカーは海沿いの一般道をゆったりと優雅に走っている。厳つい黒塗りキャデラック数台が護衛宜しく周囲を固めている光景は午前中と同様で、そのためだろう、他の一般車両はこの謎めいた奇天烈集団から必要以上に車間距離を取っているようであった。
 「君主危うきに近寄らず」と言う格言を思い起こしつつ、その集団の中心に位置するビンテージクラシックカーの後部座席に腰掛けている俺はと言うと、緩やかに後方へと流れていく景色を窓枠に右肘を突いた状態でシートにグタッと体重を預けながらボンヤリと眺めていて、いやはや、我ながら相当やさぐれている雰囲気ではあるのだが、まぁ、その理由については説明しなくても分かってくれると期待したい。

 
さて、名にし負うオープンカーは、その異名通りエンジン音を殆ど響かせないまま走り続け、そのお陰で俺の耳を賑わせてくれるのは、車内に吹き込んでくる風の音だけであった。その心地良い微風に頬や髪を撫でられながら、しかし、それに含まれる微かな潮の香りが、己の意思とは無関係に遠く海辺まで連行されてしまったと言う事実をより強く実感させてくれ、自然と俺の気分を落ち込ませてくれる。
 その上、夕刻に差し掛かろうかと言う時刻柄、太陽は水平線を目指し高度を下げ続け、それに比例して周囲は少しずつ明るさを失う……そんな黄昏特有の物悲しい情感的光景のお陰で、先程から漠然と感じているダウナーな感情が濃度を増していくようであった。
 そんなローテンションな心理状態のせいかどうか、何とはなしに俺は視線を軽く右から左へと移動させた。視点が車外から車内へと移る。
「…………」
 乗員人数はイベント開始時と変わらず、後部座席に陣取る俺とハルヒ、そして、徹頭徹尾必要最小限の通達以外無言を貫き続ける小柄な初老の男性運転手だけであった。何故か先程から誰も口を開かず、車内にはぶ厚い沈黙の帳が落ちている。職務に忠実な老運転手氏は別にして、ハルヒの奴も俺と同じ様にアンニュイな雰囲気を身に纏いつつ無言のまま窓へと顔を向けており、その表情を窺い知る事は出来なかった。
 正直に言えば———ぶっちゃけ普段の姦しさとの差異のせいだ———深層の御令嬢然と行儀よく腰掛ける物静かな団長様の様子が気になりはしたのだが、何となくハルヒとの間に横たわる一人分の空きスペースが、まるで見えないジェリコの壁の如く感じられた上に、何故かこの静寂を破る事に躊躇いを覚えた俺は、小さく吐息を漏らしつつ、更にドンヨリとした気分に陥りると共に、無言のまま視線を元に戻したのであった。
 
とまぁ、こんな感じでドームを退去してからこっち、俺達は互いにそっぽを向いたまま静かに外の風景を鑑賞し続けていた訳で、何となれば、この機関謹製イベントに対し初期段階から完璧なまでに非協力的だった俺は兎も角、例のライブが終わるまでのハルヒは、———これも不思議体験って言やぁ不思議体験だからな———何だかんだでこの企画を楽しんでいた筈なのだが、一体全体どんな心境の変化があったのやら、今の団長様を古泉の奴が見たら、即座に「すわっ、閉鎖空間!?」と血相を変えて携帯画面を確認しそうな感じであった。
 只、安心材料となるかどうか分からんが、何時もの様に些細なすれ違いが元で喧嘩をしたとか諍いがあったとかそう言う不穏な事は一切なく、うーん、何なんだろうな、この雰囲気は……まぁ、そうだな、思春期特有の自省行為なのかも知れんし、はたまた理由無き反抗とでも言うか、あー、何だ……俺もハルヒも難しい年頃って奴なんだろうさ、そう言う事にしておいてくれ。

*****

 
そんなこんなで、そこはかとなく気まずい雰囲気を車内に充満させつつ疾走し続けるオープンカーであったのだが、瀬戸内海に面した広大な埋立地に聳え立つ真新しい高層高級ホテルが、視界に入って来たのは暫くしてからの事であった。俺の記憶が確かならば、確かそこが次の目的地の筈であり、何とはなしに脳内で周辺の地図を紐解いてみると、そうだな、今の速度だと後10分前後で辿り着きそうなイメージである。
「…………」
と言う訳で、次なる罰ゲーム……もとい、イベントが差し迫る中、我ながらめがっさ不景気そうな表情のまま、無言でジャケットの懐を弄って無造作に押し込んでいた古泉から渡されたイベント計画表を取り出し、嫌々ながら今後の予定に目を通したのだが、悲しい事に何度見直してもそこに書いてある文字列に変化は無く、畜生、この沸々と湧き上がる怒りと悲しみを何処にぶつければいいのやら……。
 そんな負の感情を圧し潰しつつ、苦虫を二三匹纏めて噛み締めている様な酷い顰め面で、もう一度予定表を確認……何と言うか、今度の出し物も今までと同様に、どう考えても札束で頬を張り倒した上で各種恐喝を実行した様な傍若無人なモノで、あー、何々? 今夕から三ツ星最新高級高層ホテルを一括貸し切り独占状態にした上で、そこのイベント会場に著名な海外劇団を急遽招致しオペラを上演、その鑑賞と共に高級フレンチフルコースを摂る事になっていやがるんだが、いやいや、何だオペラって? そんな高尚なモノを、生まれて此の方一回も真面目に観た事が無いのだが、面白いのか、あれ? それにだ、デート……ゴホン、あー、表面的にはそんな感じの様な説明し辛い物で、めがっさ堅苦しいアダルティな催し物をチョイスする一般的高校生が日本の何処にいると言うのだろう? それにフランス料理のフルコースだと? 何事もそつなく熟すハルヒは大丈夫だろうが、あんなんの正式なマナーとか作法とか知らんぞ、俺は?
 ってか、冷静になって考えてみると、王侯貴族連中やアッパークラス向けの催し物を参考にしているのかと疑ってしまうこの一連のイベント群、これは古泉の趣味なのだろうか? だとすると、アイツの感性を疑わざるを得ず、縦しんば、趣味でないならば、その意図するところがマジで理解出来んし努力する気も起きない。
「やれやれ……」
 内面のモヤモヤを吐き出すかの如く苦笑交じりに口癖を呟いた直後、だが、その巨大な困惑が最終的な触媒にでもなったのか、朝一で古泉が自宅を訪れてからこっち、綿々と溜まり続けていた表現し辛い「鬱屈感」が———先程のライブを楽しんでいた時には、屁理屈を付け強制的に忘却していたのだが———妙な方向に化学変化を起こしたようで、この世知辛い世の中全てに対し、俺は突如として激しい憤怒を覚えていたのだった。
 ストレスに負け、行き成り内面で破裂する負の感情。
 唐突に脳天を突き抜ける強烈な破壊衝動と暴力願望。
 目の前が一瞬で赤く染まった。
 知らず知らずのうちに奥歯を噛み締め、そして、これでもかと握り締めていた拳。
 ドス黒い内圧に突き動かされ、その右手拳を一気に高々と振り上げる俺。
 そして、暴れ回る激しい感情に誘導されるが如く、力一杯それをドアに叩きつけようとし……だが、寸での所で理性が復活したらしい、それをハンマー宜しく振り下ろす直前で、どうにかその行為を思い留まる事が出来たのは、僥倖以外の何物でもない。
「!?」
 頭に上っていた血が拡散すると同時に、眼前に浮かぶ自分自身の握り拳が俺の意識を占拠した。
 そして、悍ましいクトゥルフモンスターでも見詰めるかの如き嫌悪感塗れの表情でそれを凝視しつつ、そこから意識して少しづつ力を抜きながら、敢えてゆっくり二度三度と深呼吸。
 そのまま脱力しながらシートに体重を預ける。
 その直後、ドッと厭らしい疲労感が押し寄せた。
 それに身を任せつつ、俺は現実逃避する様に静かに目を閉じ独りごちる。

 
やばい……。
 このままじゃ、何時ぞやハルヒに手を挙げようとして古泉に制止されたあの場面の再来って事になりかねん……って言うか、いやいや、俺ってこんなに沸点低かったか? それに、一体全体、何にイラついてるんだ、俺は?

 ……とか何とか自問しながらも、一瞬だけとは言え、激昂したのは事実な訳で、激しく暴れ回っていた内圧が———どうやら、先の破壊行動未遂自体がガス抜きにでもなったらしい———どうにか規定値内に落ち着いたのを確認しつつ、またぞろ先程の様になっては溜まらん、気分転換に先のライブの楽しい思い出にでも浸ろうと記憶中枢を刺激してみたものの、何故か真っ先に浮かんできたのは、彼との別れ際の遣り取りであったのだった。

*****

 それは小一時間程時を遡り、例のサプライズアンコールが終わるや否や、慌ただしく開始された本格的な撤収作業の喧騒が周囲に満ちる中、別れの挨拶とばかりに彼と握手を交わした際の出来事であった。
 俺は短く拙い、そして、ハルヒの奴はネイティブ並みの発音で長々と、それぞれが感謝の意を伝えつつ、代わる代わる握手をして貰っていたのだが、何か気になる事でもあったのかどうか、彼はハルヒの次に俺の手を握ったかと思うと怪訝そうに眉を顰めて俺の目を覗き込み、そして、何かを思い付いた様に頷きながら、幼子を諭すが如くゆっくりと語り掛けて来たのだった。
 だが、悲しいかな、当然の事ながら英語で告げられてもチンプンカンプンな訳で、握手を交わしている態勢のまま、思わず隣にいたハルヒに「ポールは何って言ったんだ?」と聞いてしまった俺なのだが、即座に訳してくれたハルヒも何故か戸惑い気味であった。
「えっと、そうね……簡単に言えば、案ずるよりも生むが易し……ってとこかしら?」
「……なんだそりゃ?」
「あたしに聞かれたって分からないわよ」
「そりゃま、そうだが……」
 流石にそんな意味深な言葉を、この様な状況下で人生の先達&成功者から囁かれると、その真意が気になるのは若輩者の性の様な物で———伝説的人物とは言え遠慮している場合ではないだろう———困惑状態から精神を立ち直らせつつ、その意図を問い質すべくハルヒに通訳を依頼しようとした矢先、残念ながら、俺が口を開くのを妨害する様な絶妙のタイミングで、遠くから彼を呼ぶ大きな声が響き、「何だ?」と反射的にそちらを確認すると、どうやら色々と切迫しているらしい、数人のスタッフが相当慌て気味にこちらへと駆けて来るところだった。その内の一人は幾度も腕時計を指差しつつ彼目掛けて一直線、また別の人物はと言うと携帯で何処かと通話している最中なのだが、色々と修羅場の様で、通話相手に幾度も罵声を浴びせていたりする。
「…………」
 その切羽詰まった様子に心持ちドン引きしつつも、何となれば、俺の眼前にいらっしゃるお方は、世界を股に掛け、下手をすれば秒単位でスケジュールが組まれている可能性もある大スターである、古泉達機関の思い付きイベントに付き合ってくれたのだって奇跡みたいなモノだし、これ以上迷惑を掛けるのは俺の本意では無い。
 そう思いつつ日本人らしい謙虚さを発揮し、俺は口にし掛けた質問を飲み込み手をそっと離したのだが、「おや、もう時間かい? 残念だね」的台詞を肩を竦めつつ発した彼は、スタッフに急かされながらも擦れ違いざまに俺の肩をポンっと叩き、更に意味深な一言残したのだ。

「Good Luck,Boy……Let It Be,You Will Be Fine」

と……。

「!?」
 流石にその短さならば、更に言えば、聞き慣れた単語の羅列ならば、如何な不得手な英語であっても聞き取れ理解出来る訳で、それを咀嚼する様に小さく鸚鵡返しに呟きつつ、俺は颯爽と去っていく世界的大スターの背中を見送ったのであった。

 その別れの言葉に込められた意図を何となく察しながら。

*****

「…………」
 そんな感じで、思春期真っただ中の年下の同性を激励するために送られたであろうその離別の挨拶を、気だるげな姿勢を維持したまま思い返し、そして、何故その場で「勘違いですよ」と否定しなかったのか、その理由を考察すべきかどうか悩んでいると、今更ながらその台詞の中に含まれていた有名な曲名に気が付く俺。

「Let It Be……か」

 そう小さく呟くと同時に脳内で有名なイントロが響き渡り、それに釣られる様に俺は自然と鼻歌い始めたのだが、さて、この曲を今更説明する必要があるだろうか?

 
それは彼が作曲した数多の名曲の中でも別格の存在であり、九分九厘の人が一度ならずともそのメロディに触れた事が有ると断言する事に些かも躊躇いを覚えない程の知名度を誇る名曲中の名曲、
「Let It Be」
 ……その意は「全ては神の意、なすが儘に」であり、メンバー間で発生した音楽的嗜好&方向性に関する重篤な齟齬が原因でバンド内の人間関係が完璧に崩壊した結果、所属していた某UKバンドの解散が不可避となった環境下で作られた云わば諦観者の視点を持った曲でもあった。日本的に言えば「今は色々辛いけど、まぁ、なるようになるさ」って感じが一番近いのではないだろうか?

 そんな事を頭の片隅で思考していたからだろうか、何時の間にやら鼻歌が軽いアカペラに進化し、自然と歌詞を口遊んでいた俺だったのだが、自分自身の歌声をはっきりと認識した瞬間、より一層声に感情が籠っていくのだから、音楽ってのは面白い。


When I find myself in times of trouble
 ずっと苦悩し苦しみ続けている時に、

Mother Mary comes to me
 僕の元に女神が来てくれたんだ。

Speaking words of wisdom, let it be
 それから、彼女はこんな言葉を掛けてくれた、「素直に生きなさい」と。

And in my hour of darkness
 そして、僕の全てが暗黒に閉ざされたその時、

She is standing right in front of me
 彼女は僕に寄り添っていてくれた。

Speaking words of wisdom, let it be
 そして、こう囁いたんだ、「素直に生きればいいのよ?」と。


 何となれば、人間ってのは中々複雑怪奇な生き物で、こんなダウナー精神状態であっても、好きな曲に接すると精神が高揚し、悪想念を浄化するシステムが内蔵されているらしく、先程までの鬱屈感疲労感が徐々に薄らいでいくようであった。そして、それがまた更なる精神的な安定感を助長、その結果、歌声に籠る情感が益々濃厚になっていく。
 カラオケがストレス発散に向いていると言われるのも宣なるかな、将に自己音楽セラピーとでも表現すべきかどうか……兎にも角にも、どうやら有難い事に普段の自分を取り戻せそうであった。その事実に内心安堵すると同時に、俺の歌声はより一層感情豊かになっていき、そして、それが発生したのは名曲がサビに突入した直後の事であった。
 心地良さそうに歌う俺に感化されでもしたのか、長きに亘って沈黙を守っていたハルヒが、我慢出来ないとばかりに口を開き、一緒になってこの名曲を歌い出したのだ。ハルヒの朗々たる美声が俺の声と奇麗に混ざり合い、往年の佳曲がより一層輝きを増した様に感じるのは俺の身贔屓であろうか?
「!?」
 虚を突かれ驚愕した表情を浮かべてしまった俺なのだが、折角ここまで興が乗っているのだ、それを中断するのは些か勿体ない、思わず口籠りそうになりながらもどうにか歌い続ける事に成功しつつ、反射的に横目で団長様の様子を窺うと、ハルヒの奴も俺と同じ様に、気持ち良さそうに歌いながら此方をチラリと流し見、そして、視線が合うと同時に、何とはなしに2人して無邪気で柔らかな笑みを同時に浮かべたのだった。
 大袈裟かも知れんが、ハルヒの柔和な笑みに接したのが豪く久方ぶりな様な錯覚を覚え、我ながら何と単純なんだろう、たったそれだけの事で俺の精神は安定感を増し、そして、安心したせいかどうか、それが心の中に残っていた黒い蟠りを一気に溶かし切ってくれる。
 瞬時に心が晴れやかになった。
 即座に身も心も軽やかになる。
 と同時に、俺は突如として理解するのだった。
 何故これ程までにこの一連のイベントに対し、拒絶感を持ち続けていたのかを……苛々していたのかを。
 いや、若しかすると無意識下では悟っていたのだろう。
 それから俺が目を逸らしていただけの事だ。

 
だから、この際だ、はっきり言おう。
 古泉が主催するこの騒乱に巻き込まれる事自体が、俺の本意では全然無いのだと。
 不本意……マジ、その一言に尽きる。
 理由は単純明快、この機関謹製イベントに付き合っている間、俺に完璧なまでに選択権が無いのだ。
 そう、自由が無いのだ、まるで各種強制イベントを淡々とこなすだけの下僕の如く。
 顧みよ、参加する事ですら文字通り強制で拒否権すら行使し得なかった事を。
 SOS団の面々の手前、文句一つ言わず付き合っていた己の自己犠牲精神にホトホト頭が下がる思いだ。

 だから、そんな、ん?……何? 何時も何時も団長様の思い付きや我儘に付き合って周章狼狽東奔西走しているじゃないか?……だと?
 いやいや、待て待て。
 シチュエーションが似通っていたとしても、それとこれは似て非なる物だ……とは言え、その違いを他人様に理解させるのは少々難儀な事なのだが、そうだな、此処におわす団長様は(恐らくは)純粋に不思議な存在を求めていらっしゃるだけで、あー、それ以外に(多分だが)他意は無く、まぁ、何だ、それに付き合ってやるのも、んー、「団員その一」としては義務の様な物であり……。

 …………。

 
ゴホン……。
 ……ってか、それ以前に、そもそもだ、このイベントに関しては、古泉の奴の思惑がこれでもかと透けて見えているのが悪いっ。
 そう、アイツが一番の元凶なのである。
 一年初期の悪夢以降、事在る毎に俺とハルヒをくっつけようと画策しやがるが、お前は昭和に存在した近所の世話焼き小母さんか? 正月の親戚一同の集まりに於いて、何かと「結婚圧」を掛けてくる叔父叔母か?
 全く大きなお世話だっての。
 それに……何だって? 今回の件がSOS団崩壊の危機だと? そして、それが世界の破滅に直結するかもしれないだと?
 やれやれ……いいか、古泉?
 俺は世界平和のために、そう、そのためだけに恋愛ごっこをする心算は毛頭ない。
 そんな行為は俺自身対しても、そしてそれ以上に、ハルヒに対して不誠実過ぎ、ぶっちゃけ、そんなんは他人から強制されるものではないのではないし、もっと遥かにピュアな存在である、ってのが俺自身の考えなのである。


 そうなのだ。
 だから俺は、このイベントに拒絶反応を起こしていたのだ。


 ならば、どうする?
 このままブツブツ不平を言いながら、最後まで嫌々古泉達に付き合うのか?
 己を殺したままで?


 それとも……。
 彼が言っていた様に「思いのまま」に行動すべきか?
 「Let It Be」の歌詞に込められているが如く「素直に」生きるべきか?


 ……色んな意味で「決断」を下さざるを得ない時が迫って来ているような予感が俺を包むと同時に、曲がフィナーレへと突入、それぞれが思いの丈を歌声に込めるが如く最後の一句まで熱唱し、そして、その後訪れた静寂の中を漂う心地良い余韻に浸りながら、二人して満面の笑みを浮かべたのだった。


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  1. 2018/01/31(水) 23:41:27|
  2.  “好き”って魔法の言葉だと思わない???
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