FC2ブログ

女神様の絵本箱

「涼宮ハルヒの憂鬱」の二次創作小説ブログです♪ 基本甘々ハルキョンキョンハルメインです(^▽^)/ 先ずはSSリストよりどうぞなのです

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

“好き”って魔法の言葉だと思わない???⑩(キョン君視点)

“好き”って魔法の言葉だと思わない???


・粗筋:……そして、あの級友とのやり取りが切っ掛けになって事態は一気に!?(笑)


*****


「続きを読む」からは ……

 キョン君視点⑩:
【これが“今がその時”ってヤツなんだろうさ(確かに、そうだな……済まん)】


……になりまーす(^▽^)/



 その余韻がフェードアウトしていくに連れて俺達の達成感は弥増していった。そして、それに比例し、始めは小さく控え目だった笑い声が、何時の間にか周囲を憚らない大きなモノへと変化する。一気に車内は俺達2人の明るく朗らかな笑い声で満たされ、先程までの陰々たる雰囲気は影も形も無くなっていた。
 そんな感じで一頻り笑い合った後、俺達は申し合わせた様に大きな吐息を漏らしてから、何事も無かったかの如く雑談を始めたのだが、———多分に、苛々が収まり俺の精神状態が平常運転状態に戻ったからかも知れん———それは何と言うか何時も通りの2人、詰まりは団長様と団員その1との日常的な遣り取りであった。
 だが、その常日頃と変わらぬ他愛無い会話の何と落ち着く事か!! 
 平凡万歳って所である。
 そんな想いを密かに噛み締め味わっていると、一旦途切れた会話の狭間を埋める様に団長様が「あっ、そーだ……ねぇ、キョン?」と静かに呼び掛けて来た。
「ん? 何だ?」
「歌って面白いと思わない?」
「!?」
 先程内心感じていたのと同様の感想をハルヒが口にしたので、俺が思わずその瞳を覗き込み無言でその先を促すと、何やら勢い付いた団長様は身体毎此方へ向き直ると同時に、見慣れたドヤ顔を浮かべたかと思うと、鼻息荒く得々とそれに関する説明を加えだした。
「だってさ、今あたし達が歌った“Let It Be”って、ついさっき作詞作曲した当の本人の生演奏生歌をあんな間近で聞いた訳じゃない?」
「だな……」
「文字通り独り占め状態で一緒になって歌った筈なのに、どーしてか今歌ったヤツの方がすっごく楽しめたし、正直に言って滅茶苦茶満足したの」
「…………」
「ホントどーしてかしらね? キョン、分かる?」
等とポールが聞いたら悲嘆慷慨しそうな事をさらりと口にしつつハルヒは小首を傾げ、実の所全く同じ感想を抱いていた俺は、
「はっきりとは分からんが、まぁ、何だ……あれだな、カラオケとかで良くある、場の雰囲気に酔い痴れるって感覚が強かったんじゃないのか?」
とかなんとか適当な口にしつつ、極稀に体験する完璧に入り込んだ際に感じるあの独特な没入感高揚感を思い起こすと同時に、「カラオケか、いいな……今なら何時間でも歌い続けれそうな感じがするぜ」と素朴なコメントを独り言の如く述べていたのだった。
 そんな呟きを耳にすると同時にハルヒは一瞬だけ目を見開き、そして、
「あら? 珍しいわね、キョンがそんな前向きな事言うなんて……」
と失礼な感想を真顔で言い放ちやがり、
「……そんなに珍しいか?」
 反射的に返した俺を「コイツ、何を寝言を言ってるのかしら?」的胡乱気な視線で一撫でしたかと思うと、
「あっ、良い事思い付いた!! ……ね、キョン? 今から行くホテルに、カラオケホールとかあるかしら? 若しあるなら貸して貰っちゃわない?」
 まるで面白い悪戯を思い付いた某アングラ団体団長らしい楽し気な笑みを浮かべて提案するハルヒの様子に、俺は苦笑を浮かべながら、だが正直に言えば、一瞬だけだが心惹かれたのも事実であった。
「…………」
 しかし、先程の悶々と煩悶した成果かどうか、
「このままこの機関主催イベントに付き合って振り回されている限り、何事も心底楽しめないのではないだろうか?」
との疑惑が心の中で今でも揺蕩い続けており、俺は即座に同意出来なかったのだ。何となく口籠る俺の様子を不審気に見遣り、団長様が怪訝な声を上げる。
「??? 何、どーしたの、キョン?」
「あ、いや、何でもない」
と明らかに実は悩みがあります的な口調で返事しつつ、一瞬だけ躊躇った後、俺は無意識に尋ねていたのだが、それは先程から気になっていた事柄に関する物であったのだ。


「それはそうと……なぁ、ハルヒ? ……お前、今、楽しいか?」


*****


 今の仄々とした雰囲気の中、いきなりそんな意味深な質問を投げ掛けられるとは思わなかったんだろうな、明らかにハルヒは戸惑った様子で暫く悩む素振りを見せてから、徐に口を開いた。
「あんたが何に悩んでるのか分からないけどさ、あたしは、うん、楽しんでるわよ」
「……そうか」
「ってか、楽しんであげないと、こんなに派手なイベントを考えてくれた古泉君達に悪いじゃない?」
「…………」
 まるで自らに言い聞かせるが如きその発言は、内容だけを見れば、何かと団員を気遣うハルヒらしいと言えるモノだったのだが、それに含まれている義務感的配慮を敏感に感じ取ってしまった俺としては、諸手を挙げて賛同しかねるモノでもあったのだ。

 何故ならば、これは全く以ってハルヒらしくないのだ。

 これ程までに派手なイベントに参加している時点で「楽しんであげないと悪いじゃない?」何て他人を慮る言い方を普段のハルヒならば決してしない。寧ろ、全身全霊で行事にのめり込みながら、何かと非協力的で後ろ向きな俺を「バカキョン!!」と叱り飛ばし、
「ホントにもぅ、あたしがキャプテンシーを発揮してあげないとダメなんだからっ」
と襟首掴んで強引に彼方此方と引き摺り回しているだろうさ、そう、こっちの都合を無視してな。
 この際、この理不尽イベントの切っ掛けやら勝ち負けやらには目を瞑るとしてだ……何と言うか、あー、ハルヒがハルヒらしくないのは妙にむず痒く、ぶっちゃけるとめがっさ精神的に宜しくない訳で、更に個人的な我儘を忌憚無く口にすると、やんちゃ娘は何時も通りやんちゃで居て欲しく、まぁ、何だ……公式には認めたくはないのだが、何だかんだで俺もSOS団、いやさハルヒ的流儀に根本から毒されて久しいんだろうな、きっと。
「やれやれ」
 こんな考え方をあっさり受け入れてしまう俺も俺だな……と内心苦笑しつつ、「では、何時ものハルヒらしいハルヒにするには、どうするか? どうしたらいいのか?」って段になり、まぁ、悩むまでも無くその手段としては一つしか心当たりが無く、そして、それは俺自身の精神的開放にも直結する事であり、故に、複雑に絡み合う世知辛い柵さえなければ今直ぐにでも実行したいってのが、俺の偽らざる本音であった。
 だが、現実問題として……畜生、古泉のヤツ、機関総出でこんな大掛かりな傍迷惑企画を企画実行しているって事は、その未だ謎に包まれている未知なる権力&資金力を如何なく行使した挙句、多方面にめがっさ迷惑を掛けている事は明白で、つまりだ、ここで俺達が彼らの計画を無視し勝手な行動をすると、紆余曲折の末、どうにかこうにか丸く収まっているであろう現状が混乱崩壊し、より強烈な騒動を引き起こす事にはならないだろうか? 
 結果、それに巻き込まれ周章狼狽右往左往する羽目に陥るであろう関係者各位の凄絶なる労苦に思いを馳せると、最初の一歩を踏み出す事が難しく……とまぁ、全く面識も無い赤の他人様の気苦労を気に掛けて、己を殺して色々と自重してしまうとは、何と言うか、己の聖人君子っぷりが酷く恨めしく、これがアホの谷口辺りなら、何も気にせず己の欲求に乗ってホイホイと行動しちまうんだろうが……あぁ、その能天気ぶりが羨ましい。
「…………」
 そんな感じで又々悶々と悩み始めてしまった俺の様子を横目で見ていたハルヒが、そっと窓の外に顔を向け幾分躊躇いつつ、
「……で、さ、その、キョンは、どーなのよ? た、楽しく無いの?」
と答えを聞きたい様な聞きたくない様なそんな微妙な口調で問い掛けて来たのだが、実の所、それは俺にとって想定外の質問であった。いや、違うな……俺が若しもハルヒと同じ立場だったならば、これまでの経緯がどうであれ、何だかんだで連れが不機嫌そうな面をしてブスッとしていれば、
「俺と一緒だと楽しめないか?」
「お前が詰まらなそうにしているのは、俺のせいか?」
と心配になるのは至極当然の話だろうさ……。
 だからである、戸惑ったのは一瞬だけの事で、俺は即座にハルヒの指摘の正しさを認め、
「ハルヒの言う通りだ、一緒に居る人間が勝手に苛々して不機嫌だったら、楽しめるモノも楽しめないよな……」
 そう胸の内で呟きつつ、大いに反省するのであった。


 全く……この程度の騒動で何時もの余裕を失うとは、我ながら人間が小さ過ぎるぞ、俺よ。


 己の荒んだ精神状態が周囲に与える影響って奴を改めて再認識し、ならばと胸の中の蟠りを輩出すべく、
「ふぅぅぅ……」
と俺は大きく息を吐き出してから、顔を上げて暮れ泥む空を見上げ、そして、ゆったりと流れていく雲をぼんやりと眺め心の中を空っぽにしながら、有りと有らゆる想いを乗せて、
「確かに、そうだな……済まん」
と囁く様な声で返答する。
 そのしんみりとした口調からハルヒも何かを感じ取ったらしく、安堵した様な淡い笑みを見せつつ「うん……」と小さく頷き返してくれたのだが、有難い事に、この短い遣り取りが俺にある事を気付かせてくれたのだった。
 今更ではあるが、今の俺が大切にすべき事柄が一体何であるのかを。


 改めて考えてみよう……。


 今の俺が優先し大切にしなければならないのは、見も知らぬ人々か? それとも、古泉達機関の連中か? 
 ……んな訳あるか!?
 例え隣に居るのがハルヒでなかったとしても、一緒に居る女の子に要らぬ気遣いをさせちまう何ざ、男の沽券に係わる大問題であり、縦しんば手遅れだったとしても、このままダラダラと状況に流されるよりは……。
 そう、古泉達に迷惑を掛けてでも……。


 と……周囲の迷惑を無視した将に清水の舞台から飛び降りるが如き決心を固めようとしたその時であった、俺の携帯が軽やかな着信音を鳴り響かせたのは。


*****


 悩みに悩み抜いた末に、ある種の非情な決断を下そうかとした矢先の電話である、折角の決心がグラリと揺らぎ傾いた様な錯覚を覚え、それを打ち消すべく幾分八つ当たり気味に、「一体誰だ、こんな邪魔する様なタイミングで……」と小言を呟きながら画面を確認すると、何と発信者は我が悪友谷口である。
「??? メールでもSNSでもなく直接電話だと? 一体何だってんだ、アイツ?」
 マジで困惑しつつ、だが、何時までも鳴りやまない呼び出し音に根負けし、仕方が無い、渋々出てやると、名乗る事もせず行き成りがなり立てるクラスメート……。
「おいっ、キョン!? お前、マジなのか!? 違うよな!? ぶっちゃけフェイクニュースだよな!?」
「…………。済まん、何だって? 意味が分からんぞ? いいか、谷口? 突然電話して来て、開口一番意味不明な事を言わん方がいいぞ、本気で真正のバカに見える」
 俺が谷口の名前を出した途端、それとなく隣で聞き耳を立てていたハルヒが「何よ、谷口のバカなの?」と明らかに興味をなくした風情で呟くのを小耳にしつつ、いや、俺もそんな気分なんだが、あのな、谷口? 今忙しいんでな、急用でなければ後日に回してくれ。とあからさまに迷惑だと告げたにも係わらず、谷口さんは少しも気にする事無く、己の用件だけを口にしやがり、相変わらず空気を読まないな、お前……。
「今、聞いたんだが、キョン、お前、涼宮とデートしているんだって!? マジか!?」
「!? なっ、おま……いやそれを何処で誰から!?」
「その動揺っぷり、マジなのかよ!? 畜生!! マジで涼宮とラブラブデートなのかよ!? この、裏切り者がっ!?」
「は? 済まん……何だって?」
 だが、動揺したのも一瞬、裏切り者と言う唐突過ぎるフレーズのお陰で瞬時に冷静さを取り戻した俺は小首を傾げながら、耳元でギャンギャン喚く級友を宥め透かし落ち着かせつつ———やれやれ、何で俺がこんな苦労をしなきゃいかんのか———今回の騒動の顛末の表層部分を要約して聞かせてやると、谷口さんは何故か盛大に安堵の吐息を漏らしたかと思うと、
「そ、そうだよな、女を誘うとか、キョンにそんな度胸が在る筈も無いよな。いやぁ、覚悟を決めちまったのかと焦ったぜ……いやいや、安心したぜ……ははは、そっか、イベントか、うんうん、楽しそうだな、へへっ、羨ましいぜ、キョン」
「喧しい、大きなお世話だっての。ってか、それで何でお前が安心するんだよ?」
と眉を顰めて問い正すと、
「キョンに置いて行かれたかと思って」
「マジであっち側に行っちまったのかと慌てちまった」
とかなんとか更に意味不明な弁明が電話口から流れて来て、その余りの言語明瞭意味不明さから「やっぱりバカはバカなんだな」と改めて不変的事実を再認識しつつ、そして、この状況下である、コイツと長々と係らってる時間が勿体無く、
「悪いが色々と問題がてんこ盛でな、お前の相手をしてる時間がマジで惜しい、用が無いなら切るぞ?」
と敢えて冷淡に告げたんだが、我が級友殿にはその意図が全く伝わらなかったらしい、谷口さんはそのドヤ顔が目に浮かぶ様な口調で、
「まぁ待てよ、キョン……幾らイベント上の疑似もんごっこ遊びフェイクデートだって言ってもな、お前がエスコートしてやらなきゃ女の子は満足しないぜ? だからな、ここは経験豊富な俺が的確なアドバイスをしてやる、感謝しろよ?」
 そんな偉そうな前置きを宣ってから、「経験豊富ってのは一体誰の事だろう?」と俺が困惑し言葉を失っているのを奇貨として、デートの下調べが如何に大切かを力説し始め、女の子の間で流行しているスイーツの種類やらプリクラがどうとか、女の子受けしそうなイベントの開催時期やその値段やら何やら、その知識、お前に使う機会があるのか?と言う素朴な疑問を感じさせる情報群を得々と説明して下さり、
「況してや相手はあの涼宮、面白くなきゃ途中で見限られて、マジで帰られちまうぞ。気を付けろよ、キョン」
「喧しいわ、でっかいお世話だ、この野郎」
 反射的に突っ込みを入れた瞬間、そのクラスメートの上から目線的台詞の中のある部分に記憶中枢を刺激された俺は、入学直後に当の本人から聞かされたハルヒエピソードを思い返しつつ、
「ん? あぁ、そう言えば、お前はモノの五分で破局したとか……」
「!? ばっ、ちがっ、それ、おおおお俺じゃ、ねぇし!! 何、か勘違い……」
と明らかにクリティカルヒットを喰らったと自白しているに等しい泡食った返答が電話先から迸り、その余りの狼狽え振りに自然と笑い声をあげてしまった俺なのだが、その瞬間、何時の間にやら自分が心身共にリラックスしている事に気が付き、何だかんだで心の奥底に蟠っていた不安感罪悪感と言った精神的に宜しくないモノが、何故か奇麗さっぱり消滅したらしく、まさかとは思うが、谷口との他愛も無いバカ話のお陰で気が晴れたのだろうか? いやいやそんな筈は……だが、正直に言えば、コイツと話してると、色々悩んでいるのが馬鹿らしくなったのも事実だしなぁ……。
 そんな感じで人生の不条理さに関して自問自答していた俺を他所に、我が級友は必死になって弁明を続けており、その戯言を聞き流しつつ、まぁ、人生何が気晴らしの切っ掛けになるか分からん、これはこれで中々得難い経験だな……と素直な感想を抱きながら、苦笑交じりに腕時計を確認、何だかんだで結構長電話になってるので、今回ばかりは本気の本気で、
「あぁ、そうだったな、済まん済まん、俺の勘違いだったわ。ま、何にせよ、こっちは忙しいんでな、切るぞ……じゃあな」
「ちょ、キョン!? まだ話は終わって……」
「そうだ……一応、忘れない内に言っておく。まぁ、何だ、その……ありがとな、谷口」
 何だかんだで気晴らしにはなった事に関して唐突に謝意を告げ、しかし、先方の反応を待つ事無く問答無用で俺は電話を叩き切ったのだが、空気を読む能力に欠けるあいつの事だ、こっちの都合も考えずにリダイヤルしてくる可能性を考慮し———先程の感謝の気持ちとこれとはまた別問題である———迷う事無く携帯の電源をオフにしてからジャケットに仕舞い込むと、それを待っていたかの様に、ハルヒが「で、何の用だった訳、あの馬鹿?」と仏頂面のまま質問を寄こし、うーん、何と説明すればいいのやら、変に説明するとあれやこれやで厄介な事になりそうだしなぁ……一瞬だけ考え込んだ俺は、
「あれだ、えー、何やら現在の混迷極める世界情勢について思う事が有ったようなんだが、まぁ、ぶっちゃけ、谷口の何時もの戯言だ、気にするな」
と投げ遣りに返答、しかし、団長様も実の所大して興味は無かったようで、「ふーん……」の一言を口にしただけであった。
 自分自身を棚に上げながら、その級友へのぞんざいな扱いに対し、そこはかとない微苦笑を浮かべつつ、
「それはそうと、ハルヒ?」
「??? 何よ、キョン、改まってさ?」
「さっきのカラオケに行く行かないって話なんだが……」
 話題を変え団長様に向き直りつつ、さぁ、何と切り出そうか?と一瞬だけ口籠っちまったのだが、カラオケの一言に強く興味を惹かれたのだろう、「あら? 何だ、やっぱりキョンも歌いたかったのね?」と一気に晴れ晴れ笑顔になったハルヒに釣られ俺の頬も緩み、そのお陰か何ら気負う事無く口が動く。
「まぁ、何だ……朝からこっち、色々と気を遣わせちまっただろうしな、その償いをだな……」
「へぇ、キョンにしてはイヤに素直じゃない? ふふっ、明日はきっと雨ね!!」
「やれやれ、まぁいいさ、それはそれで。……で、どうなんだ? 俺に付き合うか?」
 ここで反論しても今までの経験から鑑みるに、きっと泥沼藪蛇だろうし、ならば、ここは俺が大人になるべきだろうと泣く泣く突っ込みを我慢し、頑張って話を先に進める俺を誰か褒めてくれ。
 だが、そんな俺の密やかなる努力を知らずにテンションを上げまくる団長様は、
「そこまで言うなら、うん、いいわよ、付き合ってあげてもっ。だって、雑用が団長に気を遣うのは当然なんだけど、でも、今は気分が良いし、偶にはあたしが折れてあげても罰は当たらないわよね?」
とかなんとか……まぁ、やっとこコイツが何時もの天真爛漫な笑顔を浮かべてるんだ、多少の事は我慢するさ。
 そして、俺は自分が口にした「付き合う」の意図する所と、ハルヒが抱いているであろう「それ」のイメージの違いをはっきりと認識しつつ、だが、敢えて団長様に説明する事無く、まぁ、為るようになるさとばかりに、出来るだけ冷静さを保ちながら、団長様にサムアップを返すと同時に、未だに無言で己の職務に邁進している運転手さんに声を掛けたのだった。

関連記事
スポンサーサイト
  1. 2018/05/15(火) 00:50:47|
  2.  “好き”って魔法の言葉だと思わない???
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<独り言(2018/05/15) | ホーム | 独り言(2018/01/31)>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://megamisanamoehonbako.blog.fc2.com/tb.php/195-90d26d4f
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

カレンダー

11 | 2018/12 | 01
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

プロフィール

宇奈月悠里

Author:宇奈月悠里
ハルキョン&キョンハル大好き人間です!!

アイコンは敬愛するだんちさんから拝借させて頂いておりますっ。

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

★★★SSリスト★★★ (2)
★★★独り言★★★ (47)
★★★短編SS(連載中)★★★ (5)
 サンタを応援すると、イイ事があるんだからねっ。 (3)
 とある副団長の平凡な一日??? (2)
★★★長編SS(連載中)★★★ (76)
 死が二人を別つまで……。 (9)
 ねこねこふぁんたじあ (14)
 It’s A “わんderful” World (8)
 もてる男は、ふっ、辛いぜ……(ノ_-。) (8)
 女神様と卓上遊戯 (4)
 “好き”って魔法の言葉だと思わない??? (12)
 みくるちゃん In らぶりーらびっと!! (8)
 そして、夢見る少女は大人の階段を昇る……。 (13)
★★★短編SS(完結)★★★ (19)
 嬉し恥ずかし初デート!? (5)
 探し物は何ですか? 見付け難いモノですか? (5)
 ラブコメって美味しいの??? (5)
 素直なのは良い事です!! (2)
 地球人類危機一髪!? (1)
★★★長編SS(完結)★★★ (35)
 SOS団は狙われてるんだからね!! (17)
 うんうん、笑顔って重要だよね!! (18)
★★★エッチィSS★★★ (1)

FC2拍手ランキング

かうんたー

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QR

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。