女神様の絵本箱

「涼宮ハルヒの憂鬱」の二次創作小説ブログです♪ 基本甘々ハルキョンキョンハルメインです(^▽^)/ 先ずはSSリストよりどうぞなのです

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みくるちゃん In らぶりーらびっと!!:承(キョン君視点)

みくるちゃん In らぶりーらびっと!!


・コメント:

 こちらが企画ブログ投稿作になりまーす☆ヽ(▽⌒*)


*****


「続きを読む」からは ……

 キョン君視点②:
【認めたくは無いものだな、己自身の、若さ故の過ちと言うものを:承】


……になりまーす(^▽^)/


*****

 さて、プンスカハルヒが1人勝手に帰ってしまった後の事である。

 不毛な騒動を治めてくれた長門も無言のまま———立ち去った団長様の後を追う心算なのかどうか———脇目も振らず挨拶も残さずひっそりと扉を潜り、ハルヒの魔の手から逃れ得た朝比奈さんは胸を撫で下ろしながら、
「涼宮さん、怒ってたみたいだけど……大丈夫かなぁ?」
等と被害者にも係わらず加害者を気遣うんだが、そんな優しい上級生に俺は為たり顔で返答する。
「大丈夫ですよ、ハルヒなら……と言うか、偶には怒ってもイイと思いますよ、朝比奈さん」
 それに対し直接的な回答をする代わりに、朝比奈さんは小さく手を振り振り、
「着替えるから先に帰ってて、キョン君、古泉君」
と満面の笑顔なのが……御褒美と言えば御褒美であった。

*****

「…………」
 しかし、それから数分もしない内にだ———折角、朝比奈さんの笑顔を拝んだと言うのに———俺は不機嫌の極地に陥っていた。

 何せ……別段俺が頼んでも望んでも居ないのに、古泉と2人っきりで帰宅の徒に付くと言う有り難くない状況にいるんだぜ?
 身命を賭してマイエンジェルをお救いした筈なのに、何故に罰ゲームを受けねばいかんのか? 

……と神を小1時間程度問い詰めたい心境のまま、俺は古泉を伴って無言のまま学校を後にした。
 そして、俺達は暫く無会話状態を継続していたんだが、———俺の精神状態の成せる業なのか———その居心地が悪い事と言ったら……マジで筆舌に尽くし難い。
 そんな妙な雰囲気が続く事数分、その不快感に耐え切れなくなったのは、他でも無い俺の方だった。
「ゴホン……あー、何か言いたそうじゃないか、古泉?」
「おや、これは気を遣わせてしまいましたか?」
「御託はいいから、さっさと言いたい事を言え」
 長ったらしい坂道を下りつつ遥かなる街並みを眺めながら、俺は素っ気無く嘯く。

 ……見えざる針でチクチクと刺されるが如き状況ってのは、精神的に宜しくないんでな。

 古泉は柔らかな笑みを浮かべつつ、しかし、断固たる口調で会話を開始した。
「言わずともご理解頂いているとは思いますが……余り涼宮さんを刺激しないで頂きたいものです」
「…………」
「現時点で涼宮さんの精神状態は宜しくありません。閉鎖空間を生み出す一歩手前と言った状況でして……恐らく、ホンの僅かな刺激で爆発するでしょうね」
 古泉の淡々とした物言いの何処に刺激されたのか、何故だか俺は勢い良く反論する。
「それじゃ聞くがな……お前は、ハルヒの、御機嫌取りのために、朝比奈さんを、人身御供として、差し出せと言うのか?」
「いえ、あの場合でしたら、貴方の行動そのものは間違ってはいないでしょう。流石に朝比奈さんを晒し者にするのは、幾ら僕であっても賛成しかねます」
「……の割には、我関せずって態度だったじゃないか?」
とジト目で睨み付けながら、俺は詰問を古泉に叩き付けた。
 しかし、副団長殿は寸毫も動揺する事無く、笑顔を保持したまま持論を展開する。

曰く……、
「御二人の性格を考慮した結果の事です。あの状況で僕が介入したと場合、より事態が拗れていたでしょうね」
「僕が涼宮さんに味方した場合、貴方はより意地になって朝比奈さんを護ろうとするでしょうし、それをご覧になった涼宮さんも又……意地でも朝比奈さんを連れ出そうとするでしょう」
「その反対のケースも同様であると推論せざるを得ない状況において、僕が取る事の出来る最良の選択、それは静観であると思いますが……如何でしょう?」

 「如何でしょう?」と語気鋭く問い掛けられてもなぁ……己自身でも理解している事となると、うむ、何と言うか返答し辛いじゃないか。

「…………」
 俺は口を開く事無く正面を向いたままで、古泉も俺と同じくこちらを見ようともしない。
 どの様な表情をしているのか皆目判らないが———いや、誤解が無い様に言っておくが、決して知りたい訳ではない———多分、正面に浮かんでいる雲でもぼんやりと眺めているんだろうさ……これまた、俺と同じくな。
 古泉の意味深な問い掛けを黙殺しつつ、「話題を変更しよう。それに破鏡不照とも言うだろ?」との思いを込めて、
「ゴホン、あー、お前が気を遣っていたのは判った。だが、まぁ、何だ……朝比奈さんを御守りする事が出来ただけでも良しとしようじゃないか?」
と可能な限り快活に言い放ったんだが、どうやらそれは副団長様のお気に召さなかったらしい、
「その代わり、と言っては語弊がありますが……ふぅぅ、涼宮さんの精神状態が非常に宜しくないのですが?」
等と盛大に溜息吐きつつ、又々、質問を投げ掛けて来るんだが……お前、弥に拘るじゃないか?
「大丈夫だろ、多分。飽きっぽいハルヒの事だ、明日になれば、兎の事は綺麗さっぱりと忘れているだろうし、何時もの様に別の面白い事でも見付けてて機嫌も元通りだろうさ」
 俺は至極楽観的な口調で古泉に訴え掛けたんだが、エスパー少年はそれを無視して、畜生、態とらしく当て付けがましく溜息を吐きやがる。
「ふぅぅ、これが単に朝比奈さん救出劇の結果なら、有り触れた団活の一齣だと割り切って、僕も笑顔で帰宅しますよ?」
「……何だ、その奥歯に物が挟まった様な言い草は?」
「では、はっきりと申し上げますが……貴方の不用意な一言が、根本的原因である事を自覚されていますか?」
「ん? ……俺の一言だと? 意味が判らん」
 俺が珍しく正直に呟いたにも係わらず、古泉は微苦笑を浮かべつつ此方を向いた。
 柔らかくもあり、そして、何処と無く非難めいた色を含む視線。
 俺はそれを横目で確認し、逃げる様にソッポを向く。
「やはり、気付かれては居ませんでしたか……故に僕は戦々恐々としているのですが?」
「……聞きたくは無いが言ってみろ。俺の発言が何だって?」
「以前、この世界が終末を迎えようとした些細な事件がありましたが、覚えていらっしゃいますか?」
 俺の微かな反応すら見逃さないとでも言いた気に、古泉は俺の横顔から鋭い視線を逸らさない。
「些細かどうかは知らんが、まぁ、有ったらしいな」
とチクチク突き刺さるそれを無視して、俺は嫌々ながら呟いた。

 余り思い出したくない事件だしな……。
 で、アレがなんだって?

「あれが起こり得たのも、元はと言えば……」
 古泉は意味深にそこで台詞を区切り、“ここまで申し上げれば、判りますよね?”的笑みを浮かべるんだが、ふん、済まんな、察しが悪い男で……。
「全く意味が判らん」
と俺は力強く断言し、しかし、古泉さんはそれを予期してかの様に頷く。
「アノ事件も元を糺せば、貴方が朝比奈さんと仲良くされている場面に、偶然……涼宮さんが遭遇したからですよね?」
「そうか? 単にこの世界が詰まらないから……とかだろ?」
 俺は己の不利を察しつつ、だが、意地になって平然と返事を返したんだが、古泉の追撃は更に続きやがる。
「それでは、貴方はどの様にして、あちらの世界から、此方に戻られました? それこそが回答だと……」
「!? それを思い出させるな。……大体、それとさっきの遣り取りにどんな関連があるって言うんだ?」
「まぁ、いいでしょう……思い返して下さい、先程貴方は仰いました。“朝比奈さんは俺にとって天使なんだからな”と」
 俺は顔を顰めつつ、「確かに言ったが……それがどうした?」と小さな声を出した。
 古泉の云わんとしている事を、薄々察しながら。
「どうでしょう? その一言を切っ掛けにして、涼宮さんはより意固地になられたとは思いませんか?」
 古泉の何気無い指摘に対し、俺は咄嗟に返答を返す事が出来なかった。

 忌々しい事にだ、確かにハルヒはあの前後から妙に意地を張り出した訳で……。

 過去を思い返しつつ押し黙った俺に、古泉は淡々と話し掛ける。
「そして、何故、涼宮さんは意固地になったのでしょう?」
「……自分の思い付きを否定されたからだろ?」
と自分でも信じていない事を———パブロフの犬の如き条件反射で———口にする俺。
 しかし、古泉はそれを完璧に無視して己の主張だけを続ける。
「縦しんば、朝比奈さんをお助けするにしても、あの一言は余計でした」
「…………」
「阻止するにしても、緊急職員会議や生徒指導室への呼び出し等々……効果的で、且つ、涼宮さんを刺激しない要素は幾らでもあった筈ですからね」
と指折り数えつつ、副団長は淡々と言葉を吐き出し、そして、俺はと言うと、反論する術を持たずに押し黙っている事しか出来なかった。
 そんな雰囲気の中、古泉だけが延々と喋り続け、そして、数分が経過し、
「以上の推論により、完全にとは申しませんが、アノ時の状況に酷似しているのではないか? ……と感じているのですが、如何です?」
と最終的に同意を求められる段になり、俺はやっとこさ声を出す。
「しかし、何故に、その、俺が……朝比奈さんの味方をしただけで、どうして、ハルヒの機嫌が悪くなる? 意味が判らんぞ?」
 漸う口にした反論なんだが、しかし、その直後———古泉が返事を返す代わりに———その携帯が「ピリリ……」と甲高い呼び出し音を鳴らした。

 まるで、惚け続ける俺を糾弾するかの如きタイミングで……。

*****

 次の日は快晴だった。

 何時も通りの平穏で平和な日本の朝だった。

 前日は駅前で別れるまでの間、古泉さんからネチネチと小言を聞かされ続けていた俺なのだが……以前の様にだ、
“自宅で寝ていた筈なのに、深夜に北高で起こされちまう”
何て摩訶不思議な事象が発現する事も無く、無事に何事も無く朝を迎えていた。
 実は内心ホッとしながら、
「ほら見ろ、古泉が心配し過ぎなだけじゃないか」
と嘯きつつ自宅を出た瞬間、しかし、その副団長からメールが届く。
 然も「事件は既に始まってますよ?」とでも言いた気なタイミングに、ギクリと心を痙攣させながら、メールを開封すると……。

「申し訳ありませんが、本日は登校する暇も無いようです。出来ましたら、涼宮さんの様子を気に掛けて頂きたく……」

 先程のお気楽極楽な考えを吹き飛ばすその文面を、俺は暫く無言で睨み付ける。
 折角の爽やかな朝の空気が、何とも憂鬱なものに変質した。

 …………。
 朝っぱらから、嫌なモンを見せられちまったなぁ。
 しかし、気に掛けるといってもなぁ……何をどうすりゃいいのやら?

等と途方に暮れていた俺を指南する心算なのか、再度古泉からメールが送られてきた。
「どうやら涼宮さんは、何に対して怒っているのか、御自分でもはっきりと理解されていないようですので、それを解消する方向でお願いします」

 二度三度とメールを読み返し、
「気楽に言いやがるな、副団長殿は……」
と苦笑しつつも、古泉達が例の空間に出張っているかも知れないかと思うと、微かな罪悪感が湧き上がった。

 仕方が無い、少しは手を貸してやるか……。
 まぁ、これも世界のためなんだろうさ。

*****

 そんな訳で、長距離登攀行にヒイコラ言いながら、俺は頭の中で色々とシミュレート。
 その結果……俺は幾多のプライドを捨てて、ハルヒのご機嫌を取ろうと決心していたんだが、しかし、その考えはめがっさ甘いモノであった。

 何故ならば、我らが団長涼宮ハルヒさんが登校されていなかったのである。
 
 団長閣下が御臨席されないと言うパターンを、寸毫たりとも考慮していなかった俺は迂闊なのだろうか?
 登校時間に関して、今まで俺の後塵を介した事の無いカチューシャ娘が、背後に居ないと言う状況は、いやはや精神的に余り芳しくない。

 まさか、遅刻の理由ってのが、ははは、昨日の騒動だとか……?

 思わず自問したその内容に、古泉達が齷齪していると言う事実が合わさり、何やら動揺しちまった俺なんだが、だが、担任岡部によると、
「涼宮は体調が悪いらしく、病院に行ってから来るそうでな、遅れると言う連絡があった」
と言う事なので、体内で渦巻く罪悪感を押し潰しつつ、藁にも縋る気持ちで、ハルヒさんが一刻も早く来校されるのを待つ事にしたんだが……。

*****

 しかし、時間だけが刻一刻と過ぎていく。

 あれから忙しくなったのか、古泉から一切連絡は無く、ならばと、万能宇宙人っ娘を訪問すると、いやいや、こちらも所用が有って休みらしい。
 古泉だけならいざ知らず、長門までもが居ないとなると……うむ、俺に打てる手は皆無でだな、気が付けば、そんなこんなで放課後を迎えてしまい、おいおい、ハルヒのヤツ、結局来てないじゃないか!?

……と言いながら、ハルヒさんに直接連絡を取る勇気も無く、「さて、どうする、俺?」と自問しつつ、しかし、俺の脚は自動制御で部室棟に向かうのは何故なのだろう?
 しかし、当事者の筈なのに、殆どの関係者と顔を合わせていないと言うこの状況、事件そのものがどのような経緯を辿っているのか、サッパリ把握出来ないってのは、何やら凄まじい疎外感だ。
 アノ冬の様に……俺の知らない所で何かが激変している何ざ、勘弁願いたい所であり、その思いが俺の歩行速度を上げていく。
 自分でも表情が固いのが自覚出来た。
「…………」
 黙々と脚を動かし、通常の半分程度の時間で部室棟に辿り着くや否や、これまた黙々と階段を登る俺。
 そして、何事も無く我らが部室の前に到達し、これまた条件反射で扉を静かにノックする。
 待つ事暫し。
 内部から何も反応が無い所を見ると、朝比奈さんすらいらっしゃらないらしい……。

 おいおい、今日一日、SOS団のメンバーと顔を合わせても居ないし、声すら交わしてないぞ?

 SOS団に引き摺り込まれて以来の椿事に、困り果てた俺は物言わぬ扉の前で目前と立ち竦んだ。

 ハルヒは体調不良だとかで学校に来てないし、古泉は例のバイトらしいし、何故か長門も居ない。
 おまけに朝比奈さんすら来ていないとなると、うーん、部室に居る意味が全く無いんだがなぁ……。

 俺は首を振り振り、何やら仲間外れにされている小学生っぽい雰囲気を湛えたまま、何気無く部室の扉を開いた。

 だが、しかし、その瞬間、———「部外者は嫌だ」等と嘆いていた自分が微笑ましくなる程———俺は否応無しに事件の中心人物へと格上げされる羽目になったのだが、喜ぶべきか悲しむべきか……判断に苦しむ所では有る。

*****

 カチャ……。

 誰かが居る訳でもないんだが、意味も無く出来るだけ音を立てずに、俺はそっと扉を開いた。
 そして、眼前に広がる代わり映えしない部室内を、左側から順に一瞥しつつ、俺は微かな苦笑を浮かべる。
「誰も居ない部室か、何だか侘しいな……」
と1人愚痴りつつ、長門の本棚に団長席を経て、冷蔵庫等が置いてある右側へと移動した視界の中に、奇妙なモノを見つけた俺は思わず我が目を疑った。
「……は?」
 自然、室内に踏み込もうとした足が止まる。
 口をポカンと開け絶句しつつ、“ソレ”を凝視する俺。

 事前の想定通り……確かに部室には“誰”も在室していない。
 事前の想定通り……確かに“無人”でもある。
 だが、「有機生命体が居ないのか?」と問われると、俺は無言ではっきりと首を横に振るだろう。

 何故なら、其処には、部室の床には、俺の眼前には、ゴホン、一羽の小さな“白兎さん”がチョコンと座っているんだからな……。

*****

 その白い兎さんは、上半身を持ち上げた状態で微かな身動ぎすらせず、まるで精巧なヌイグルミか剥製の様だった。
 耳の先だけが黒い毛に覆われていて、うむ、そこがポイントではあるな。
 何となく何だが、その兎からめがっさ戸惑った雰囲気が周囲に放たれていて、

「わたし、どうして、此処に居るのでしょう?」
「一体、どうなっちゃうの?」
「これも規定事項?」

とでも言いた気な感じの茫然自失状態であるらしいんだが……。

 いやいや、それは俺も同じでだな、何で兎がこんな所に居る? 
 誰が持ち込んだんだ? ……昨日の今日だしな、ハルヒのヤツか?

 俺は混乱する意識の下、しかし、冷静に状況整理を開始した。
 余りの冷静さに己自身を褒めたくなる一方で、俺は諦観的笑みを浮かべる。

 まぁ、色々と不可思議な事に巻き込まれてきたしな、ソレに比べれば、兎の一羽や二羽……ははっ、慣れって怖いです、母さん。

 そんな訳で、俺は、再度、部室内をぐるりと見渡し情報収集を試みた。
 そして、そんな必要が無い程あっさりと俺は妙な物を発見する。
 思わず眉が寄った。

 妙な物……それは、一言で言えば、北高の制服であるセーラー服なんだが、しかし、見慣れたソレが床に散らばっているとなると穏やかではないだろ?
 更に言えば、呆然と佇む兎さんを中心に配置されているとなると、尋常ではないと断言してもイイ位だ……。

 「何だありゃ?」と小さな声で呟く俺を誰が責められよう。
 そうなのだ、理由は判らないが、床の上にセーラー服一式が一纏めにされて置かれているのだ。
 ガスコンロが設置されているフリーボックス前の床に。
 いや、違うな……置かれていると言うより、セーラー服をその場で脱ぎ捨てた……若しくは、服を着ていた本人が一瞬で消え去り、ストンと服だけが落ちたとでも説明した方が正解に近そうだ。
 その中心に兎さんは鎮座されているんだが、何と言うか、セーラーやら何やらに囲まれ困惑しているその姿は、豪くシュールで、思わず憐憫の情を感じんでもない。

 多分だが、この兎、無理矢理連れて来られたと思ったら、置き去りにされて困ってるんだろうな……。
 んで、こんな事を遣らかすヤツは、この世で1人しか居ないんだが、学校サボってまで何やってるんだ、ハルヒのヤツは?
 それにだ、この制服……一体何の意味があるんだ? 
 昨日の胡坐と言い、恥じらいと言うか……うむ、アイツには一回女性としての嗜みを、懇々と説いてやらねばならんな。

 脳内で雑多な思考が混ざり合う中、制服の影に下着らしいシルエットを確認した俺は、「ハルヒの所業に違いない」と確信しつつ、溜息を吐きながら、兎を保護するために部屋へと踏み込んだ。

「全くハルヒのヤツ……俺への当て付けだか何だか知らないが、こんな所に放置されてちゃ、兎だって困るだろうぜ」

 ブツブツと文句を言いながら近付く俺の足音で我に返ったらしい、兎はビクリと身体を痙攣させる。
 そして、カセットコンロを眺め続けるのを中断し、恐る恐ると言った体で俺へと振り返った。
「!?」
 そして、俺の姿を認識したらしいキョトンとした様子が、何故だが、ハルヒの頓珍漢な発言を聞かされ、呆気に取られている朝比奈さんを髣髴とさせるんだが、それ位人間臭い所作でもあった。
 妙な微笑ましさを感じつつ、当然の事ながら、俺はそれを「兎が怯えたからだ」と解釈し、上半身を屈めて笑顔を作る。
 そして、その笑顔を保持しつつ、

「あぁ、怯えなくても良いぞ……済まんな、多分、ハルヒなんだろ、こんな所に連れて来たのは?」

と努めて優しい声で語り掛ける俺なんだが……ゴホン、言うまでもない事だが、兎と会話を成立させる心算何ざ毛頭無いと断言しておこう。
 若しも、兎と意思疎通が出来ると信じているヤツがいるなら、此処に来い。
 はっはっは、今直ぐ立場を変わってやるぞ?

*****

 おっとりとした口調で語り掛けながら、白兎の瞳の中にはっきりと知性の揺らぎを感じ取り、内心小首を傾げる俺ではあったんだが、その疑念を意志の力で封印しつつ、ゆっくりと片膝を付いた。
「兎よ? 全然怯える必要はないからな……」
 兎さんを落ち着かせるべく、全ての動作を意識的に緩慢なモノへと移行しつつ、その背中をそっと撫でようとした俺の手は、しかし、中空で停止する事となった。
 何故ならば、件の兎さんが、俺を、潤んだ瞳で、見上げつつ、ポツリと、返事を、寄越してくれたからである。
 しかも、明瞭な日本語で。
 それも、めがっさ悲しげな口調で。
 そして、聞き慣れた朝比奈さんの声で。

「キョン君……わたし、兎さんになっちゃいました……ど、どうしましょう?」


  【認めたくは無いものだな、己自身の、若さ故の過ちと言うものを(転の巻)】 …… に続きます。
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  1. 2000/01/01(土) 00:00:00|
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