女神様の絵本箱

「涼宮ハルヒの憂鬱」の二次創作小説ブログです♪ 基本甘々ハルキョンキョンハルメインです(^▽^)/ 先ずはSSリストよりどうぞなのです

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みくるちゃん In らぶりーらびっと!!:転(キョン君視点)

みくるちゃん In らぶりーらびっと!!


・コメント:

 こちらが企画ブログ投稿作になりまーす☆ヽ(▽⌒*)


*****


「続きを読む」からは ……

 キョン君視点③:
【認めたくは無いものだな、己自身の、若さ故の過ちと言うものを:転】


……になりまーす(^▽^)/


*****

 さて、本日はいい天気である。

 例えば……無人の部室内にセーラー服が脱ぎ捨てられて居ようが、とてもいい天気なのである。
 例えば……一羽の兎さんが人類の言葉を発しようが、何が何でもいい天気なのである。

 なのに、はっはっは、どうして俺の気分は一向に晴れないのだろうか?

*****

 理由も無く現実逃避したくなった俺は、窓の外に視線を移し、ゆっくりと流れていく雲を見詰めた。
 そして、片膝を突いたままの体勢で、頭の中を空っぽにしてみる。

 色々と面倒そうな事があったような気がしたんだが、まぁ、気のせいだろうし、ふぅぅ、あの雲の様にゆったりプカプカ浮かんでいられたら……どれだけいいだろうなぁ。
 さぁて、ハルヒ達も居ない事だし、さっさと帰る事にして、うむ、本日の夕飯は何だろう? 気分的にカレーなんぞを所望したいところだ。
 そんな感じで必死に何もかも忘れるべく努力している俺を余所に、白兎さんはピョンコピョンコと可愛らしく歩み寄ってきたかと思うと、「構って構って」と言わんばかりに、俺の膝にひっしと縋り付いた。
 俺を見上げる瞳の円らな事と言ったら、くそ、比する言葉が無い程である。
 思わず「畜生、可愛いじゃないか」……とニヘラとなりそうな所で、

「キョ、キョンくぅん……ど、どうしましょう? わたし、どうしたら???」

と又々朝比奈さんの困惑した声が聞こえ、一瞬で俺は世知辛い現実に引き戻された。
 部室に兎が居るだけじゃなく、信じ難い事だが流暢に言葉を話す……と言う現実に。
 嫌な現実では有るが、しかしだ、ははっ、この程度で動揺していたら、ふっ、SOS団雑用は勤まらないのである。
 俺は自分を落ち着かせながら、脳味噌をフル回転させ、ピピンッ、即座に常識的回答へと辿り着いた。
 頭の上に幾つモノ裸電球が瞬いているかの様な素晴らしい閃きだった。

 何だ、事は単純な事じゃないか。
 謎は全て解けたっ。
 要は、今日ハルヒが教室に来ていないってのが肝なのだ。

 そんな思いを込めて、無意識に俺は膝に縋り付いている兎さんの背中を撫でながら、
「やれやれ、朝比奈さん? ハルヒに何を言われたのか知りませんが、そんな事じゃあ、俺を騙せませんよ?」
と部室全体に響き渡る様な大声を出した。
 勿論、朝比奈さんだけではなく、首謀者であるハルヒに聞こえる様にである。

 俺の読みではこうだ。
 昨日の俺の言動に腹を立てたハルヒのヤツは、怯える朝比奈さんを脅した上に、何処からとも無く兎を連れ込んだ挙句、その動きに合わせて擬似腹話術何ざを強制したんだろうさ。
 んで、俺がアタフタする所を隠れて見て溜飲を下げる……って寸法に違いない。
 全く……あいつは授業に出ないで、何を遣らかしているのやら。

 俺は頭を掻きながら、周囲を窺いつつ、苦笑気味の声を出す。
「ハルヒもハルヒだぞ? 言いたい事が有るなら、はっきりと言えばいい。……聞いてやるからさ。で、何処に居る? 道具入れの中か?」
と立ち上がろうとした瞬間、件の兎さんが俺の膝をガッシリ掴んだままプルプルと首を振り振り、泣きそうな声で訴えた。

「そ、そうじゃないの……キョン君。ホントにわたし、朝比奈みくるなんです。信じて……」

*****

 日本昔話じゃあるまいし、兎に「信じて……」と言われてもなぁ。
 即座に「判りました」と言えるヤツがいたら、お目に掛かりたい……と言うか、此処に来い、今直ぐ立場を変わってやるぞ。

 とは言え、可愛い白兎さんである。
 手触り最高の小兎さんなんである。
 そのベリーキュートな姿形の小兎さんが、朝比奈さんの声色と口調で窮状を訴えるってのは、反則……ゴホン、相当の破壊力でだ、俺は思わず、
「いやぁ、その、信じてと言われましても……人類の常識からして、はは、有り得ないですよね?」
と言葉を返していた。
 それを受けた兎さんは、コクコク頷きながら、迷子になった幼子が警官に話す風情で続ける。
「で、でも……本当の事ですし、えっと、あのー、シャミセンさんも人の言葉、話しましたよね? 多分、それと同じかなぁって思うんですけど」
「…………」
 兎と言語的相互的意思疎通を成功させた初の人類と言う栄誉を慶ぶ暇もなく、どうにか納得して貰おうと悪戦苦闘するホワイトラビットを、俺は至近距離から観察。
 そして、口の動きと発声等々の情報を総合した結果、いやにあっさりと、「兎=朝比奈さん説」を受け入れようとしていやがる自分が恐ろしい。

 幾らなんでも非日常的現象に慣れ過ぎだ……。

 沸き上がる頭痛に耐えつつ———人類的常識を護るべく———、一縷の望みを賭けて、俺は片手で顔面を覆いながら、白兎さんに許しを乞うた。
 会話が成立する事を前提としている自分が、ちょろんと恨めしい今日この頃ではあるがな……。
「兎……いや、朝比奈……あー、まぁ、兎に角ですね、ちょっとだけ時間を頂けますか? その、自分自身の常識を納得させたいので」
「???」
 可愛らしく小首を傾げ、耳をピコピコさせる兎さんをその場に残し、「何処かに居てくれたら助かるな」と思考しつつ、俺は手早く部室の中を探索し、その結果……此処には、人一人と、兎一羽だけが、存在する、と言う冷徹な事実を突き付けられた。

 空っぽの掃除用具入れを覗き込みながら、呆然とした声で「マジかよ……」と呻く俺。
 そして、ピョコピョコ付いて来ていた兎はそれに反応し、真面目な声で「マジです」とポツリ。

 そんな一人と一羽を包み込む沈黙は、重く暗いモノであった。

*****

 兎さん———色々と混乱しそうなんでな、これからは朝比奈さん(兎)と呼称させて貰おう———が事の顛末を語り終えた時、俺は床に胡坐を掻いて座り込んでいた。

 まぁ、事の顛末とは言ってもだ、それ程込み入った話しではない。
 簡潔に纏めよう。

 何時もの如く、部室に入室するや否や、女子高生からメイドさんへとクラスチェンジする前に、朝比奈さんは薬缶を火に掛けるため、カセットコンロに近付いたらしい。
 そして、薬缶に水が入っている事を確認してから、カセットコンロのスイッチに手を伸ばしていると、
「もぅこうなったら……みくるちゃんを、うん、兎にしちゃうしかないわね!!」
と頓珍漢な事を言い放つ声が行き成り耳元で聞こえ、「え?」と思った次の瞬間には、兎になっていた……んだと。
 因みに朝比奈さん(兎)曰く、
「その声は……涼宮さんみたいな気がしました。ちょっと怒ってたかも……」
との事なんだが、そんな事を聞くまでも無く、マジで人を兎に変えちまう素っ頓狂な存在がハルヒさん以外に居たら、是非ともお目に掛かりたいところである。

*****

「やれやれ……」
 俺は封印したくても出来ない単語を呟きながら、膝の上に朝比奈さん(兎)を横たえ背中を撫で撫で、そのモフモフとした感触に癒されつつ、しかし、めがっさ途方に暮れた状態を維持していた。
 いや、別に維持したいと言う事でもないんだが、その状態で朝比奈さん(兎)を撫でながら、俺は「さぁ、これからどうすればいい?」と自分に問い掛けていた訳だが、はっはっは、正直に言おう、皆目見当も付かん。
 長門が居れば、脊髄反射でその万能能力に縋るところだが、如何せん、宇宙人っ娘は本日未登校な上に、何故か携帯にも出やがらないときたもんだ……となると、普遍的一般人たる俺に何か出来る事があるだろうか?
 万が一の可能性に賭けて、朝比奈さん(兎)に問い掛けてみる俺。
「朝比奈さん? これって規定事項なんですよね? この先、何かしら大騒動が起こったとか、記録に残ってるんですか?」
「い、いえ、何も記録には残っていなかった筈です。恐らくですけど、規定事項ではないんじゃないかなぁ……あ、これ、禁則事項でした」
「…………」
 案の定、未来人は秘密主義であり、現状打破には何の役にも立たないらしい。
 黙り込んだ俺を、朝比奈さん(兎)はクリクリとした愛くるしい眼差しで見詰めつつ、しかし、やはり不安なのか、長い耳をピクピクと痙攣させる。

 やっべぇ。
 すっげぇ可愛い……。

 何と言うか、その愛らしい姿は有りと有らゆる事象が些末事に思える破壊力で、理性を大いに揺さぶられた俺は、無意識の内に朝比奈さん(兎)に語り掛けていた。
「朝比奈さん?」
「はい? ……若しかして、キョン君っ、何か思い付きました!?」
「いや、そうではなくてですね……どうでしょう? このまま兎になっちゃうってのは?」
 「はい?」と呟いた朝比奈さん(兎)は、最初キョトンとした表情を浮かべていたんだが、暫くすると何か不満でもあったのか、右後ろ足でタンタンタンと俺の膝を叩き、
 「キョ、キョン君!? ……お、お願いだから、真面目に考えて!!」
と何時に無くキツイ声を出す。
 その鋭い声と共に、朝比奈さん(兎)の後ろ足で蹴られた膝の痛みが噛み合わさり、俺は一瞬で正気を取り戻した。
 少々気分を害されたらしい朝比奈さん(兎)に対し、「あ、済みません……思わず」と平謝りしながら、俺は兎にも角にも状況を整理しようと心に決める。

 早速だが、検討しよう……。
 
 さて、現時点で一番困る事は何だ?
 そんなん決まってる。
 我らが素敵団長様に朝比奈さん(兎)を発見されない事だ。
 見付かったが最後、めがっさ面倒な事になるに決まってるからな。
 「今も面倒だよね?」と言う突っ込みは聞き流し、では、どうするかと言うと……ぶっちゃけ、未来から朝比奈さんが飛来したあの時同様、俺に出来る事は殆ど無い。
 目処が立つまで———例えば、長門と連絡が取れるとかだな———暫くは朝比奈さん(兎)に、身を隠して貰うしかあるまい。

……と其処まで思考を進め、俺は窓の外を振り仰いだ。
 グラウンドから運動部の活発な掛け声が聞こえ、それ以外にも其処彼処で生徒が活動している気配が伝わってきた。
 ハルヒに見付かる以前にだ、良く考えると……「校内に兎が居た」と言う噂が立つだけでも、面倒になりそうな予感がヒシヒシとするぜ。
 って事で、他生徒には、極力、朝比奈さん(兎)を見られない様にしなければいけない訳だが、まぁ、まだ帰宅時間には程遠いしな……うーん、それじゃ、生徒がある程度捌けるまでは校内に居るしかないって事か。

 やれやれ。

*****

 俺はそんな思考結果を朝比奈さん(兎)に伝え、何処か良さ気な場所に心当たりが無いか確認してみた。
 その質問に対し、朝比奈さん(兎)は小首を傾げ、「此処じゃ、駄目なんですか?」と尋ねてくるんだが、俺即答。
「俺の勘ですが、部室は不味いですね」
「どうして?」
「ハルヒが事の発端なんです。アイツの破壊的行動力を考えると、見付かる確立を可能な限り潰しておかないと、安心出来ませんからね」
と言いつつ、俺は脳内で学校の敷地をスキャニングしてみたんだが、うーん、「コレだ!!」と膝を打つ様な場所に思い至らなかったんだが、一緒に悩んでいた朝比奈さん(兎)が「あ、そう言えば」と切り出した。
 
 何でも、「今日は書道部、休部っさ。うっとこ、めがっさ暇にょろ」と鶴屋さんが嘆いていたとか何とか……。

 成る程、書道部の部室か……現時点では縁も縁も無いハルヒが来襲してくる確立は相当に低いな。

 こう言う場合熟考しても大して成果が無く、“即断即決が吉”と身を以って体験している俺は、朝比奈さん(兎)に、
「下校時刻まで書道部部室に潜伏した後、俺の家か、長門のマンションを訪問する」
と言うプランを提案する。
 朝比奈さん(兎)は———俺に全幅の信頼を寄せてくれるのか———一も二も無く素直に頷いてくれ、ならば行動有るのみだ。
 朝比奈さんの制服を回収し紙袋に詰める作業中、朝比奈さん(兎)が恥ずかしがり一悶着あった程度で作戦準備は恙無く進行。
 俺と朝比奈さん(兎)は準備を終えるや否や、連れ立って部室を後にしようとしたんだが、良く考えると、足元でピョンコピョンコと跳ねている小兎を、そのまま廊下に連れ出すのは問題があろう。
 扉を開くべくドアノブに触れていた手を離し、俺は静かに紙袋を置きながらしゃがみ込み、朝比奈さん(兎)に声を掛けた。
「朝比奈さん? 書道部に移動するまで、申し訳無いですけど、紙袋に入っていて下さい」
「え? あぁ、このままじゃ見付かっちゃいますよね?」
とコクコク頷く白兎を優しく抱え上げようとした瞬間の事だった。

 行き成り、眼前の扉がドカンと勢い良く開かれたのは。

「うおっ!?」
 鼻先をグオォォと風を切って通過するドア。
 俺と朝比奈さん(兎)に被害が無かったのは、奇跡以外の何者でもないんだが……そんな事を一切気に掛ける事無く、部室に誰かが元気一杯に入って来た。
「ごっめーん。えへ、学校サボっちゃった♪」
と言う明るい挨拶と共に。

*****

 入ってきたのは、誰あろう……最も会いたくない人物の筆頭格:涼宮ハルヒ閣下、その人であった。
 次の瞬間、「何!?」「ぴぃ!?」「……え?」と三者三様の声を漏らしつつ、俺達は互いを視認。
 そして、想定外の出来事に全員が動きを止めた。

 俺は朝比奈さん(兎)を抱き上げようとした格好のまま。
 朝比奈さん(兎)は大人しく俺の腕に収まろうかと言う状態で。
 ハルヒはドアを開け放った姿勢のまま。

 やばい!! 不味いっ。

 そんな意味の単語やイメージが脳内で乱舞し、俺は咄嗟に反応出来なかった。
 当たり前だろ? 
 最高危険人物に、この段階で見付かる何ざ予想出来るか!!

 “初めて冒険に出発し、行き成りワンダリングモンスターに遭遇したと思ったら、てへ、ラスボスでした”的有り得ない状況を打破してくれたのは、勘弁して下さい、他でもないそのラスボスだった。
 呆然としている俺を無視して、ハルヒさんは視線を朝比奈さん(兎)に固定しながら、満面の笑顔で絶叫する。

「きゃあ!! ホントに兎が居るじゃない!? うっわうっわ♪」
「い、いや、あのな、ちょ、ちょっと、待て、ハルヒ……」
「可愛いっ、何、何で、どーして、ホントに兎が居るの!? キョンが連れて来たの!? いやっ、嘘!? 信じられないっ」

とハルヒは一気に躁状態で———俺の動揺何ざ歯牙にも掛けず———バッとしゃがみ込み、驚愕の余りピキンと固まっている朝比奈さん(兎)の頭を撫で撫で。
 そして、その勢いを維持したままニコニコ笑いながら、
「可愛いわね、名前は何て言うのかしら?」
と独り言の様に呟いたんだが、次の瞬間、ハルヒは眉を顰め「はい?」と絶句する事となった。
 何故なら、目を細め団長様の撫で撫で攻撃を受け止めていた朝比奈さん(兎)が条件反射的に、

「な、名前ですかぁ? えっと……」

と小首を傾げたからである。

*****

 朝比奈さん(兎)の返答を受けビックリハルヒさんの発した、
「え? え? みくるちゃん?」
と言う困惑した呟きを最後に、部室内に沈黙の帳が下りた。

しーん……。

 妙に重苦しい空気が周囲を漂う中、流石に不味いと思ったのか、朝比奈さん(兎)は慌てて前脚で自らの口を塞ぎ……って、いやいや、普通の兎はそんなリアクションはしませんからっ。
と反射的に突っ込みを入れていた俺なんだが、涙目状態の朝比奈さん(兎)に、「ど、どうしましょう? キョン君」と言いた気な視線を投げ掛けられ、めがっさ動揺した。
 何故なら、今のこの状況……今まで数多の非日常的現象からハルヒを遠ざけて来た努力が水泡に帰する瀬戸際であると悟ったからで、だが、行き成り過ぎて何も思い付かない。
 ハルヒは疑念塗れの視線を兎さんに突き刺し、恐る恐る確かめる体で、質問を口にする。

「キョン? 今、この兎ちゃん……みくるちゃんの声で、返事したわよね?」
「!? そ、そんな訳っ、ある筈無いだろ!?」

 咄嗟にハルヒの質問を全面的に否定するため出した俺の大声に、

「そ、そうですよぉ、兎さんが話すなんて……」

と弱々しく反論する朝比奈さん(兎)の声が被さり、いやぁ、朝比奈さん(兎)……マジで勘弁して下さい。
 そして、余りにも現実離れした状況下、ギャグ漫画か何かの如く、はっはっは、全員が絶句しちまうんだが、いやいや、朝比奈さん(兎)……何も、此処でこの場でドジッ娘モードを全開にしなくても!! と大慌ての俺を余所に、ハルヒさんは妙に冷静だった。
 朝比奈さん(兎)から視線を引き剥がし、部室内を見渡したかと思うと、俺の足元にある紙袋を発見、そして、無表情なままジッと観察する。
「それ、制服よね? キョン、それ、誰の? 若しかして……み、みくるちゃんの?」
と怖い位平坦な声で俺に問い掛けるハルヒは、真実に気が付きつつあるって風情で……畜生、どうして、コイツはこんなにも勘が鋭いんだ!?

*****

 兎に角、朝比奈さん(兎)を此処から逃がす事が最優先……と言うか、此処に居て貰うとだ、次から次へと巨大な墓穴をセッセと掘ってくれそうだもんなぁ、この人。

……と言う訳で、俺ハルヒの意識を兎さんから遠ざける為、しかし、深く考えずに「ハ、ハルヒ!?」と鋭い声を出しつつ、至近距離に居る団長様を、突然、俺は抱き締めた。

「へ?」

と間の抜けた声が、抱き締められたハルヒさんの口から漏れたんだが、そんな事は些末事にしか過ぎず、その柔らかい身体や温かな体温に甘い体臭を感じ取るや否や、俺も全身の血液が顔に集中したらしい、滅茶苦茶顔が熱く、もう、何が何だか訳が判らん。
 まぁ、訳が判らなかったのはハルヒも同様らしく、俺の腕の中で身体を硬くし、非常に大人しいんだが、その顔は俺の視界からは死角になっていて、どんな表情を浮かべているのか、さっぱり見えない。
 だが、ハルヒが大人しいと言うのは、朝比奈さん(兎)からその興味を、———一時的であっても一向に構わん———逸らす事だけを目的にしている今の俺にとって、願っても居ない状況だ。
 少しだけ余裕が出来た俺は、朝比奈さん(兎)に行動を促そうと、静かに顔を動かし、そして、ポワポワとした雰囲気に包まれ何やらモジモジしている朝比奈さん(兎)を見出したんだが、しかしですね、「うわぁ……」とか何とか呟きながら、長い耳をピョコピョコしつつ、チラチラ俺達をチラ見するの……止めて貰えませんか、朝比奈さん(兎)?

「あ、そ、そうですよね……わたし、見てませんから。えぇ、どうぞっ」

とか小さな声で答えつつ、朝比奈さん(兎)は前脚で目の辺りを覆い隠してくれる気遣いを見せてくれるんだが……何が「どうぞっ」ですか? あのー、俺はそういう事を言いたい訳じゃないですよ?

「え? そ、そうなんですか?」

 朝比奈さん(兎)が———心底理解出来ないと言ったキョトン顔で———小首を傾げた瞬間、急激な偏頭痛に襲われた俺は思わず大声を出す所だった。

 マジで現状を把握して下さい……朝比奈さん(兎)


  【認めたくは無いものだな、己自身の、若さ故の過ちと言うものを(結の巻)】 …… に続きます。
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