女神様の絵本箱

「涼宮ハルヒの憂鬱」の二次創作小説ブログです♪ 基本甘々ハルキョンキョンハルメインです(^▽^)/ 先ずはSSリストよりどうぞなのです

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SOS団は狙われてるんだからね!!①(ハルハル視点)

SOS団は狙われてるんだからね!!


・粗筋:何気に鋭いハルヒさんですけど……。


*****


「続きを読む」からは ……

 ちょっぴり切ない副団長編 ①:【古泉君って頼りになるわねぇ】

……になりまーす(^▽^)/



*****


 “世界に数多存在する悪の組織から、あたし達SOS団は狙われている”


 その驚愕すべき事実に気が付いてしまったあたしは、アル重大な決心をした。
 それは有希やみくるちゃんを含む団員全員に、危機意識を持って貰う事なの。
 正義を愛するあたし達が、悪人に負ける訳にはいかないんだもん。
 そのためには……厳しい訓練が必要だと思わない?
 勿論、そー思うわよね?
 
 そして、あたしはその決意を胸に団長席で拳を突き上げて、

「これから第1回SOS団暴漢撃退訓練を行います!!」

と元気良く宣言したわ。
 その案にキョンを除く全員が諸手を挙げて賛同してくれた。
 
 嬉しい事に皆あたしの危機感を敏感にも感じ取ってくれたのね、きっと!! 
 流石はあたしが選び抜いた団員だわっ。
 そうよ、しっかりと訓練をしておかないと、いざ鎌倉って時に苦労しちゃうんだから。

 それはそうとして、ちょっと聞いてよ!! 
 あたしの提案に皆が全面的に賛同してくれたのに……キョンだけは渋い顔してブツブツ言い募るのよ? 
 ホントに、毎回毎回、団長の有り難い提案を何と心得てるのかしら、この雑用は!? 

「詰まり俺達が狙われた場合、防御に回るんじゃなく、反対に攻撃して撃退しようと……そう言う訳なんだな?」
「だーかーらー、さっきから何回もそー説明してるでしょうが!!」

 こんな遣り取りをSOS団の結成以来、何度交わしたのかしら? 
 呆れちゃうような、でも、コレが無いと大政翼賛会ちっくになっちゃって、味気ないというか何とも不思議な感覚。
 キョンとの間にしか感じない奇妙な感覚だと思う。
 でもそんな思いを脇に置いて、あたしはプンスカと頭に血を昇らせつつあった。

 ホントにキョンってば、一言何かを言わないと気が済まない性質なのよねぇ。
 あんたは近所にいる小言親父か?って感じでさ……でもね、温厚なあたしにだって、忍耐限界点はあるんだから!! 
 何時もきちんと相手をしてあげてる優しいあたしに感謝して欲しい位だわ。
 いえ、キョンは涙を流して平伏すべきなのよ!! 

「あんた、当然、その事、理解してるんでしょうね?」
「……は? 何の事だ?」
「な、何でもないわよ、バカキョン」

 そんなあたしのささやかな要望も知らずに、今回だってブツブツと苦言を呈するキョン。
 味気ないと言いつつも、これ以上小言を聞きたくないあたしは最終手段を取る事にした。
 頼れる賛同者:古泉副団長へと援軍要請。
「どう? 古泉君っ、このあたしのアイデアは!?」
 古泉君も何時もの様にニッコリ微笑んで、あたしの要望通りに落ち着き払った口調で答えてくれるの。
「流石は涼宮さん、大変素晴らしい考えかと」
「でしょ!! だからね、皆でそーゆー感じの訓練しましょう」
「了解しました」
と古泉君は優雅に一礼し、「早速、閣下の御要望通りに取り計らいましょう……」とでも言ってくれそうな雰囲気だったのに……。
「了解するな、古泉!! ……あー、ちょっといいか、ハルヒ? そう言う感じって幾らなんでもアバウト過ぎだ……俺は今一どころか今十程イメージ出来んぞ?」
 古泉君同様にキョンも通常営業状態で、顰め面のまま憮然と文句を言うの。
 今にも「やれやれ」と言いたげな表情がホントに憎たらしいわ。

 何であたしが抱いているイメージが伝わらないのよ? 

とプンスカ怒っていると、チョッピリ考え込んでいた古泉君が顔を上げてキョンに話し掛けた。

 どーやら、あたしの言いたかった事を、キョン相手に代弁してくれるのね!?
 流石は副団長よねっ、頼りになるわっ。

「涼宮さんが仰りたい訓練とは……それ程肩肘張った物では無くですね、例えば、ゲーム形式や競技形式で出来る物だと、僕は想像したのですが?」
「ゲームだと? 撃退訓練とやらに使えそうなのつったら……サバゲー程度しか思い付かんが?」
「成る程、慧眼です……涼宮さん? サバイバルゲームなら、助力を仰がずに、自力でやる事も可能ではないでしょうか?」
 漠然と鬼ごっこの様な形態を考えていたあたしは、キョンと古泉君の遣り取りを聞いてキョトンとしてしまった。

 サバイバルゲームってモデルガンとかで撃ち合う奴よね? 

 腕組みをして頭の中でイメージしてみる。
 うーんうーん……何やらハリウッド映画っぽい映像が、次々と脳裏に浮かんでは消えた。
 
 あら? これは面白そうじゃない!?

 自分の描いたイメージに酔いしれつつ、あたしは満面の笑顔で古泉君を褒めてあげる。
「流石は古泉君!! あたしが言いたかったのもそれなのよっ」
「お褒めに預かり光栄です」
 芝居掛かった会釈をしながら、ニコリと微笑む古泉君に釣られてあたしは勢い込んで尋ねるの。
 このまま勢いに任せて行っちゃおうっと。
「で、具体的にどーすればいいのかしら、古泉君?」

*****

 古泉君はあたしの質問を受けて、ざっと簡単にサバイバルゲームについて語ってくれたわ。
 必要な物はエアガンやシューティンググラスに、長袖長ズボンと言った程度でイイらしい。
 勝手にゴテゴテと煩わしい物が必要なんだと思っていたあたしは拍子抜けした。
「何だ、そんな簡単な物でいいの? 何か、もっとこうスッゴイのが必要になるのかと思ってたのに」
 馬鹿でかい物を印象付けようと、「こーんな感じの奴」とあたしは両手をグルンと大きく廻す。
 そんなあたしを見てキョンは呆れた様に呟いた。
「あのな……普通の学生や社会人が遣るんだぞ。そんな大層な物が必要だと大変過ぎるだろ? まぁ、お前の言ってる凄いモノが、何を指しているのか知らんがな」
「えっと、大砲とか火炎放射器とかダイナマイトとか……」
「待てぃ!! それ、思いっきり銃刀法違反だっ……って言うか普通に考えてみろ、そんな物使ったら俺達も無事じゃ済まないだろ!?」
 目を血走らせたキョンに目茶苦茶本気で怒鳴られて、あたしはビクリと身体を震わせちゃったの。
 長い付き合いの中でも滅多に無い位の本気さで、実のところ、あたしはちょっぴり怖いって思っちゃったわ。
 でも、冷静に考えたらさ……ここで引いたらキョンに負けた事になっちゃうじゃない!? それは屈辱だわ!! 
 そんな思いに突き動かされたあたしは、
「ホ、ホンの冗談に決まってるじゃない、ふんだ、バカキョン!!」
と言い捨ててプイとソッポを向いた。

 あー、お空が青いわ……。

 でも、屈辱だと言いながら、「危ないって言われれば、うん、そーよね」と密かに納得したのは内緒なんだからね。

「やれやれ、本気で勘弁してくれよ……」
 何故か「本当に安心したぜ」って雰囲気を身に纏い、パイプ椅子にグッタリと腰掛けるキョン。
 何だか気に入らない口調だった。

 むっ、何よ……その言い草は? 
 まさか、あたしが本気でダイナマイトとかを使うとか思ってたんじゃないでしょうね!?

って気持ちを込めて一言だけ口にする。
「何さ、ほんの少し常識で判断すれば、冗談だって判るでしょ?」
「…………。やれやれ。お前から常識について諭される何ざ、何やら寒い時代になったもんだなぁ」
「なっ、何ですって!?」

 何であんたに上から目線で愚痴られなきゃいけないのよ!?

と甚く気分を害したあたしはキョンにガオッと噛み付き、キョンも負けていられんとばかりにグオッと反論してきた。      
 
 むっ、猪口才なヤツね!! 
 しっかりきっかりと返り討ちにしてあげるんだからっ。
 
 あーだこーだ云々かんぬん斯々然々!!
……暫し恒例の口喧嘩で喧々囂々していると、
「まぁまぁ、御二方とも、その辺で……」
と古泉君がその間にやんわりと割って入ってくれ、そのお陰で不毛な時間は長引く事無く無事終了。
 でも、その仲裁してくれた古泉君もニコニコしながら、微かに苦笑気味だった気がするけど無視する事にするわ。

 その後も古泉君がサバゲーの一般的なゲーム方法を、ホワイトボードを利用して図解してくれた。
 その判り易い説明にあたしは「流石は古泉君」と感心しちゃう。
 解説途中にも係わらず、思わず将来教職に付く事を勧めちゃった位で、女子高にでも赴任した暁にはルックスも良いし、一瞬で全校生徒のアイドルになっちゃいそうだわ。
「……有難うございます。人気者になるかどうかは別にしてですね、涼宮さんのお墨付きと言うのは大変心強いですね」
「うん、本当に判り易いし、古泉君、頭の回転も速くて気遣いも出来るし、何より優しいしね、教師って向いてるんじゃないかしら? ねぇ、キョンはどう思う?」
「……俺か? ……あー、済まんが、その手の事に関しては、自分の事で一杯一杯でな、人様の事を気遣ってる余裕は皆無だ」
 キョンは不貞腐れた様にソッポを向いて、口の中でモゴモゴと返事をする。
 何やら酷く不機嫌だった。
 
 面白くないぜって雰囲気がモロバレなんだけど、あれ? あたし何か変な事言ったかしら? 
 ……うーん、身に覚えが無いし本気で何がその原因なのか、さっぱり理解不能だわ。
 でもさ、もっと他に言い方があるでしょ?

ってあたしが、その態度に対し文句を言ってやろうとした瞬間、古泉君がチラリとキョンを眺めたかと思うと、雰囲気を変える様にさり気無くホワイトボードをコンコンと叩いて、あたし達の意識を誘導する。
「宜しいですか? 先程の続きですが……次は禁止事項ですね」
「あー、実はそれが気になって仕方が無かったんだよな」
と積極的にキョンも古泉君に話を合わせてるんだけど、何時もはもっと突っ慳貪なのに珍しい事もあるなぁって思いながら、あたしも古泉君の説明に耳を傾ける事にしたの。
 でもね、あたしは兎も角、キョンがその説明に熱心に聞き入り、勝利条件とか所要時間とかについて事細かく質問をしているのが意外だった。

 一体どーゆー心境の変化なのかしら? 
 あんなに「やれやれ、仕方が無いな」って雰囲気だったのに……。
 何時の間にやら目茶苦茶乗り気になってるじゃない、あんた?
 
 あたしがジト目で見ているのに気が付いたらしい、キョンが頬を掻き掻き泡喰って言い訳をし始めた。
「あー、まぁ何だ……俺もSOS団の一員だしな、その訓練って奴に協力してやろうかと、まぁ、そんな感じなんだが?」
「ふーん、あたしには訓練って言うより、ゲームに興味津々って感じに映るんだけど?」
「……ゴホン、まぁ、否定は出来んな」
 あたしはその何やら照れてるキョンの顔をジッと見詰めた。
 どーしてか判らないんだけど、その顔はちょっぴり幼く見えて可愛らしく感じちゃったの。
 自然と笑みが漏れそうになり、あたしは慌てて口元を押さえた。
 
 キョンを可愛いだなんて、あたしってばどーかしてるわ……。

 この可笑しな気分を誤魔化すために、適当な事を考えて気を逸らさなきゃ!!

 え、えっと、うん、そうね。
 さっきの将棋と言い、何かに熱中しているキョンって言うのも満更ではないわね……って何よ、全然違うんだから!! 
 何て言うのかしら……そ、そう!! こーゆーゲームにあれだけ興味を示すなんて、キョンもやっぱり男の子だって事を言いたかったのよ!!

 気を逸らす心算だったのに、不覚にもあたしは、次々とキョンの事を考えてしまった。
 ……どーしてかしら?

 それに、キョンの知られざる一面を垣間見たあたしは、ちょっぴり浮き立つ気分に包まれちゃったけど……その理由にも全然思い当たらないわ。
 ま、まぁ、特に知りたいとも思わないんだけどね。
 それに、全然意味は無いんだから変な勘違いは禁止!!

 ゴホン。
 その後も皆を巻き込んで、あれやこれやの大騒ぎになった。
 どーして訓練をしましょうねって提案しただけで、こんなに賑やかになるのよ? 
 
 ……うーん、そうね。流石はあたしのSOS団だわっと前向きに考える事にしましょ!! 

 そー言えば、その大騒動の最中の事。
 みくるちゃんが目茶苦茶挙動不審だったの。
 あたしがキョンを叱った直後に、何やらそのキョンとヒソヒソ話を交わしたかと思うと、泡喰って部室を飛び出しちゃうんだもん。
 全然理由も判らないし、その後キョンも疲れ切って椅子にへたり込むし、全くなんだって言うのよ?
 その件でキョンを問い詰めるかどうか迷っていると、絶妙なタイミングで、古泉君が訓練に付いてアル提案をしてくれた。
 副団長と言う重職にあるからなのか、こういう時の古泉君は何時にも況して積極的だ。
 お陰で自然と意識をキョンから訓練へと戻す事が出来たわ。
「涼宮さん? 先程のお話しですが、僕の親戚筋の人に、その手の趣味をお持ちの方がおりますので、一式貸して頂くと言うのはどうでしょうか?」
「え?あ? そ、そーなの? ……流石は古泉君、ホントに色んな人を知ってるのね」
 あたしは心底、古泉君の人付き合いの広さに感心したわ。
 やっぱりアルバイトをしていると世界が広がるのかしらね? 
 その思いが伝わったのか、古泉君もホントに嬉しそうだった。
「お褒めに預かり光栄です。どうしますか? ゲーム専用フィールドもお借りしますか? 早めに予約しておけば、問題ないかと思いますが?」
「フィールド?って場所の事かしら? それはいいわよ、だって、此処で遣るんだから」
 あたしはエッヘンと腰に両手を当てて当然とばかりに言い放つ。
 何時もの如く、あたしの発言に反応したキョンがあれやこれやと心配事を口にしてたけど、あたしは自信満々に言い切った。
「ホントに馬鹿ね、キョンは……そんなん、バレなきゃいいのよ!! ねっ、そう思うでしょ、古泉君?」
「流石は涼宮さん、素晴らしい考えかと」
 古泉君は心底嬉しそうにあたしの考えに同意してくれたわ。
 キョンは文句をぶつける対象をあたしから古泉君に変え、「おいっ、古泉、お前いい加減に……」と言い掛けてたけど、それをも無視して、あたしは読書に勤しむ有希にも問い掛けた。
「有希もいいよね?」
「いい」
 有希は本から目を上げる事無く即答してくれ、この瞬間キョンが何と言おうと圧倒的賛成多数により、訓練はあたしの発案通り無事に学校内で開催される事が可決されたの。

 うん、SOS団は民主的組織だもんね、だから多数決による決定には従いなさいよ、キョン!!

*****

 そんな感じで、学校内でサバイバルゲーム形式の訓練を実行すると決まってからが、古泉君の独壇場だった。

 将に古泉君の真骨頂此処に極まれり!!

って感じで、開催日時や道具の準備等々、ホントに気持ちいい位次々と手配されていくの。
 あたしは部室で報告を受けて、了承するだけでよかった。
 何時もの事だといえば何時もの事だけど、古泉君も何やら嬉しそうだし、ホントあたしってば頼りっぱなしだわ。
「ホントに、古泉君って頼りになるわねぇ」
「お褒めに預かり光栄です。すずみ……SOS団のためでしたら、東奔西走も厭わない覚悟ですよ」
 心底本気でそう思っているらしい古泉君は、ニコニコと微笑みを浮かべる。
 あたしもその笑顔に釣られて「それじゃ、もっと頼りにしちゃうからね」と軽口を叩く。
「えぇ、慶んで。実際、この訓練準備も本当にに遣り甲斐がある仕事だと、涼宮さんに感謝している所です」
「あぁ、最近の古泉君、嬉しそうだったから、何かいい事があったのかなぁって思ってたんだけど、だからだったのね?」
 近頃感じていた古泉君のイメージを、あたしは何気なく口にした。
 古泉君はその台詞を聞き、何故かちょっと考え込む。
「……そんなに浮かれていましたか、僕は?」
「うーん、浮かれているって言うか、凄く幸せそうだったわよ? こっちまで嬉しくなっちゃう位にね」
「…………」
「どしたの、古泉君?」
「あぁ、申し訳ありません、話が逸れてしまいましたね。今日の報告ですが……」
 何故か殊更事務的な口調で報告を開始する古泉君は、その後団活が終わるまで何かを考えたままだった。

*****

 そして、その次の日。
 今日は珍しく部室に居るのは、あたしと古泉君だけ。
 職員室に呼び出されたキョンを筆頭に、他の人は何やら用事があるとかで、団活には遅れてくるんだって。
 でも好都合といえば好都合だわ。
 皆が来る前にさっさとエアガンを選別しちゃいましょう。
 
 えっとね、古泉君の親戚の人が持っているって言うエアガンは、ホントに多種多様に亘ったの。
 でも、如何な古泉君の知り合いだといっても、それを全部借りる訳にはいかないでしょ? 
 幾等あたしだって、そこまで厚かましくは無いわよ?
 だから「1人に付き2丁程度が妥当でしょう」って古泉君のアドバイスを頼りに、あたしが皆のヤツを選んであげる事になったの。
 キョンは自分で選ぶとか言い張ってたけど、雑用の戯言なんて無視よ無視!!
 でも、安心しなさい。
 あたしが皆のイメージにぴったりのを選んであげるからね!!
とそんな思いを胸に、古泉君が持参した市販のカタログかしら?って感じの分厚いアルバムを団長席で捲っていく。
 その中に——その親戚の人が自分で撮ったんだと思う——エアガンの写真が、これでもかと収められているの。
 それらの写真の傍に、簡単な説明文すら添えられている。
 あたしはペラペラとページを捲りつつ感心する。

「……すっごい数ねぇ。その親戚の人、物凄くエアガンが好きなのね、門外漢のあたしでも、一方ならぬ拘りを持ってるのが判る位だもん」
「僕も詳しくは知らないのですが、相当数所有しているみたいですよ?」

と返答を返してくれる古泉君に、あたしは漠然と持っているイメージを伝えてアドバイスを受けていた。
 例えば、みくるちゃんは小さくて持ち運び易い感じの可愛いヤツにしましょうとか、キョンは物凄くゴッツイ物にしてあげようかしら?とか。
 古泉君はそんな曖昧な条件から、極僅かに考え込むだけで幾つもエアガンを選択し、「これはどうでしょうか?」とあたしに写真を提示してくるの。 
 
 多趣味なのは知ってたけど、こーゆーのにも詳しいなんて、流石は古泉君ね!! 
 
 内心感心しつつペラリと捲ったページには、アメリカ軍の現用正式拳銃だって説明書きがされているエアガンの写真が載っていた。
 その写真を見た瞬間、じゃあ古泉君も何か持ってるのかも……と唐突にそんな考えが浮かび、あたしは深く考えずに問い掛けていた。

「意外に詳しいわね? じゃあ、古泉君が何時も使ってる愛用のヤツってどれなのかしら? コレに載ってるの?」
「!?」

 何故か古泉君が驚愕し息を呑む気配を感じ、あたしは「???」と本から顔を上げ古泉君へと視線を移動させた。
 そこには何時もの様に笑顔を浮かべる古泉君がいた。
 いたけど、あたしは本気で驚いている古泉君の表情を一瞬だけだけど目にしていたわ。
 その視線が、開いているページに突き刺さった事も気が付いちゃったの。
 それに今浮かべている笑顔も常に無く固い。
 まるで隠し事をズバリ言い当てられ身の置き所が無いって感じだった。
 気のせいじゃなく空気が重い感じもする。
 
 ……あ、あれ? 何か不味い事でも聞いちゃったのかしら? 

 そんな不安を感じたあたしは、咄嗟に出来るだけ冗談めかした質問をする。
「ん? どーしたの古泉君? ……あはは、若しかして、本物を持ってたり……しちゃうとか?」
「……流石は涼宮さんですね。ふふっ何時気付かれました?」
「えっ!?」
 冗談の心算で言った事なのに、それを肯定されてあたしはちょっぴり焦った。
 あたしはギョッとした心境のまま古泉君の顔を見詰める。
 古泉君はそんな視線を受け止め、肩をヒョイッと竦めつつ、
「あぁ、持ってると言っても、国外の知り合いの家に置いてあるだけですよ」
と言って笑った。
 そして「実は……」と内緒話をする様に声を潜めて、打ち明け話をしてくれたの。
 あたしも「何なの?」と身を乗り出して、聴覚に意識を集中する。
 古泉君曰く、何でも中学時代に海外の親戚の家に遊びに行った時に、誕生日プレゼントとして本物の拳銃を貰ったんだって。
「……え、あ、じゃあさ、それを撃った事もあるの!?」
「えぇ、有りますよ」
ってあたしの質問を肯定しつつ古泉君は話を続ける。
 それを受け取った直後に、近所のシューティングセンターに連れて行って貰って、そこでその人の指導の下それを撃ったんだって。
「へぇ!! 良いわね……うーん、何だか羨ましいわ」
 あたしがその思い出話に感心していると、古泉君は何故か哀しげに小さく首を振り、
「僕は涼宮さんにあんな物を持って欲しくは無いですね……」
とポツリと呟いた。
 あたしは古泉君が何を言いたいのか理解出来ずに、小首を傾げ無言でその先を促す。
 古泉君はその仕草から、正確にあたしの気持ちを読み取ってくれたらしい、あたしから視線を外し中庭を眺めて静かに語り掛ける。
「本物の拳銃はですね、見た目以上に重いんですよ……あのズッシリとした重量感・その凶悪とも言える存在感を感じ取るとですね、あぁ、これはホントに命を散らす事が可能な物体だと、心の底から畏怖心が湧き上がります。そんな物を……」
 古泉君はそこで台詞を切って口を噤んだ。
 何となく古泉君の言いたい事を悟り、あたしは慌てて釈明。
「あ!! 違うの、古泉君!! あたしは拳銃が撃ちたいんじゃなくて……」
「え?」
 珍しく呆気に取られた古泉君の表情が、何故かあたしの罪悪感を酷く刺激する。
 だから、あたしは大慌てで弁明を続けるの。
「け、拳銃云々じゃなくてね、えっと、その滅多に体験出来ない面白い経験をしてるって事が羨ましいなって」
「……あぁ、そう言う事ですか? ふふっ、涼宮さんらしい捉え方ですね。申し訳ありません、少し早とちりしてしまいました」
と気負う事無く謝罪する古泉君に、あたしはかなり動揺したらしい。
 何故か意味も無くキョンを話題に出してしまった。

「ううん、別に謝られる事じゃないし……え、えっと、あっそうだ、キョ、キョンも、古泉くん位素直だったらイイのにって思うわ、全く」
「彼ですか? ……そうですね、素直では無いというより、自分の想いを自然と韜晦してしまう方では?と僕は思ってますが?」
「そ、そーなの?」

 そんな遣り取りを切っ掛けに、予期せぬキョン談義が始まる。
 あたしがキョンの直して欲しい言動をあれやこれやと上げていき、それに対し古泉君は一応同意しつつも、さり気無くキョンのフォローをしてくれるの。

 ……ホントに細やかな気遣いが出来るのね、古泉君は。

「……そう言う訳でですね、ホントに彼が友人で居てくれて、僕は幸せ者だと感じてしまうのです」
「へ、へぇ……古泉君はキョンをそんなに認めてるんだ、ちょっぴり意外だわ」
「いえ、彼は何人にも代え難い稀有な人物ですよ? 僕ではその足元にも及びません」

 そう言って古泉君はキョンを本気で褒めてくれるの。
 決して社交辞令ではなく、寧ろベタ褒めと言ってもイイ位。
 聞いてるあたしが気恥ずかしくなっちゃう位だもん。
 一体2人の間で何があったのかって不思議な感じなんだけど、でも、これが男の友情って奴なのかも……ってあたしは凄く嬉しくなってたわ。
 自然と微笑が漏れちゃう。

 古泉君ってば、キョンの良さを判ってくれてる!! 

 そんな考えに脳裏を独占されていくあたし。
 古泉君がキョンを褒めてくれる度に、内心ではコクコクと激しく頷いてたりするんだけど、でも、顰め面で「そんな事はないわよ」と憎まれ口を、再三再四叩いてしまうあたしは素直じゃないのかなぁ?……ううん、仕方が無いわよ。
 だって恥ずかしいじゃない、色々とね。
 と言いつつ古泉君がキョンばかりではなく、あたしまでも褒めてくれた瞬間、目茶苦茶浮かれちゃうのを止められなかった。

「彼を団員その1に選ばれたのは、将に、涼宮さんの慧眼を証明するに足る出来事と申し上げても宜しいかと」
「そ、そーかなぁ……えへへ、そ、そうなのよ、実はあー見えて、キョンも遣れば出来る子なんだって、あたし信じてるんだから」

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  1. 2000/01/01(土) 00:00:00|
  2.  SOS団は狙われてるんだからね!!
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