女神様の絵本箱

「涼宮ハルヒの憂鬱」の二次創作小説ブログです♪ 基本甘々ハルキョンキョンハルメインです(^▽^)/ 先ずはSSリストよりどうぞなのです

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SOS団は狙われてるんだからね!!⑦(ハルハル視点)

SOS団は狙われてるんだからね!!


・粗筋:相も変わらず思い付いたら猪突猛進なハルヒさんなのです。


*****


「続きを読む」からは ……

 やっぱりハルキョン雑用編⑦:【人の気も知らないで……キョンの馬鹿!!】

……になりまーす(^▽^)/




*****

「むむむ……」
 あたしは部室で何時もの様に団長席に座っている。
 そして、腕組みしつつ目の前のディスプレイを睨み付けていた。自分でも渋い顔だって判る位の顰め面。
 だって、キョンとの不毛な遣り取りを忘れようと潜ったネットの中には、物騒なニュースがこれでもかって溢れ返っているんだもん。
 ホントに日本の治安は大丈夫なのかしらね?って心配になっちゃう。
 自分の身は自分で守らなければいけない日が、将来的には来ちゃうかもって憂慮した瞬間、そーゆー意味で言えば、あたしのSOS団も常に危険に晒されている事に気が付いた。
 これ程、正義と平和を愛する素敵無敵集団・SOS団……何処かにあたし達を邪魔に思う悪の秘密結社が存在していても可笑しくないわね。いえ、絶対に何処かにいるに違いないわ。しかも、それはきっと超巨大規模で凄く好戦的&卑劣なヤツなの。
 あたしは兎も角、有希やみくるちゃんが心配だわ。
 2人ともこんなに優秀で目立つんだもの、きっと悪の秘密結社に真っ先に狙われちゃうわね。
 うーん、このか弱い2人を守ってあげるのって、流石にあたし1人じゃ不可能に近いわね……。 

「…………」
 黒服の戦闘員に包囲されている有希やみくるちゃんを想像する。
 怯える有希や助けを求めるみくるちゃん……その2人にゆっくりと近付く戦闘員や怪人。

 ダメ!! 
 こんなの絶対に許されないわっ。
 そーならないためにも、むむむっ、これはSOS団全体のセキュリティを考える必要があるんじゃないかしら!?

 ……え? キョンは大丈夫かだって? 
 あんな反抗的な雑用を狙う奴なんて地球上の何処にも居ないわよ。だから放っておいても問題ないわ。
 古泉君はしっかり者だから自分の身位なんとかしちゃうだろうし、別の意味で問題無しよね?

 守る護ると呟きつつ、あたしが最高責任者として1人苦悩していると、古泉君に何やらアドバイスをしているキョンの声が聞こえた。
 視線を発生源に向けると、男性陣は何時もの如く長机を挟んで、テーブルゲームに勤しんでいるの。どうやら将棋の後の感想戦だっけ?それをしているらしい。
 キョンがパチパチと将棋盤の上で幾つかの駒を弄り、実際に手本を見せていて、それは滅多に見れない熱く語るキョンだった。
 その熱心さをホンのちょっとでもいいから勉学に向けなさいよ……と思ったのは内緒よ?
 そんなあたしの感想を知らずにキョンは熱弁を振るう。

「確かにお前の言いたい事も判るがな、守り一辺倒じゃ迫力が無いんだよ……特に将棋は相手の王将を詰まして何ぼじゃないか?」
「成る程、確かに言われるとそうですね」

 根が素直な古泉君はキョンの偉そうな台詞にホホゥって感心していたわ。
 そして、暫く続いた将棋談義はキョンの台詞で幕を閉じる。

「まぁ、使い古された言葉だが、攻撃は最大の防御って言うだろ?」
「!?」
 そのキョンの呟きを耳にした途端、あたしの脳裏に天啓が閃いた。

 攻撃>防御……。

 世紀の発見をしたアルキメデスに匹敵する歓喜の波動が心の中で渦を巻く。その感情の赴くまま、
「それよっ、キョン!!」
とあたしは握りこぶしをグッと作り絶叫しつつ団長席から立ち上がる。
「……は? それって何だ?」
 将棋盤上で駒を弄る手を止めてキョンが振り返った。
 顰め面がホントにキョンらしい。
 でも、あたしはそれを無視して元気よく言い放つ。
「あんたにしては珍しくイイ事言ったわ。そうよ、守り難いんなら攻めればいいのよ!!」
 部室内は奇妙な位静かになったわ。
 その部室であたしは満面の笑みを浮かべ皆を見渡した。
 古泉君やみくるちゃんは勿論、有希も本から顔を挙げあたしを見ているの。

 みんなの視線を独占する快感と言ったら!!

 でも、その沈黙空間に根負けしたのか、キョンが渋々といった態であたしに質問を寄越す。
「……済まん、何だって?」
「相変わらず、理解力が欠如しているわね、キョンは……」
 キョンが「今ので判るのは、エスパーぐらいなもんだ」とか文句を言ってるけど華麗に無視してあげる。
 その代わりに団長机にヒョイッと飛び乗り、あたしは拳を突き上げて元気に宣言するの。

「これから第1回SOS団暴漢撃退訓練を行います!!」

***** 

 呆気に取られている団員達に、さっき気が付いてしまった真実を解説するあたし。
 今の日本の治安が如何に危険か、そして、如何にあたし達が超巨大極悪秘密結社に狙われているかを丁寧に時間を掛けて説明してあげるの。
 その説明を聞いている最中、みくるちゃんが怯えて身体を震わせ出した。
 泣きべそを掻きそうになっている彼女を励ます様に頷きつつ、でも、冷徹に事実を告げて諭すあたし。
 本気で目を潤ませるみくるちゃんを見詰めていたキョンが、あたしに声を掛けてきたのは、古泉君と一瞬視線を交わしてからだった。
「あー、まぁ、何だ。俺達が何時から正義の味方になったかって言うのは、脇に置いといてだな……何をするって? 撃退訓練だと?」
 
 だから、さっきからそー言ってるじゃないの、バカキョン!! ホントにあんたは人の話しを聞いてたの?

 理解力と想像力の欠けているキョンに懇々と説明をしてあげるあたし。
 無能な部下と雖も、無下に扱わないのは流石だわ……と自分を褒めつつ教え諭すように。
 暫くあたしの演説が一頻り続き、最終的にキョンが難しい顔をして再度確認。

「詰まり、俺達が狙われた場合、防御に回るんじゃなく、反対に攻撃して撃退しようと……そう言う訳なんだな?」
「だーかーらー、さっきから何回もそー説明してるでしょうが!!」

 あたしは机の上で腰に手を当てエッヘンと踏ん反り返った。
 キョンを高みから見下ろし「どうだっ」と視線で問い掛ける。
 でも、キョンは呆れ切った様子で小首を振りつつあたしを仰ぎ見る。上唇を一舐めし大きく息を吸った。
 その瞬間、キョンお得意の小言が飛んで来るって、あたしはピピンと悟っちゃうの。
 また、クドクドと聞きたくも無い説教を喰らいそうだと判断し、あたしは先制攻撃。
 同志古泉副団長に同意を求めた。
「どう? 古泉君っ、このあたしのアイデアは!?」
 古泉君はニコリと微笑み「流石は涼宮さん、大変素晴らしい考えかと」と何時もの様に褒めてくれた。
 キョンが更に眉を顰め古泉君を睨み付けるのを横目に、あたしは古泉君相手に話を進めていく事にしちゃうの。

 キョンにしゃべらせると面倒だもんね!!

「でしょ!! だからね、皆でそーゆー感じの訓練しましょう」
「了解しました」
「了解するな、古泉!! ……あー、ちょっといいか、ハルヒ? そう言う感じって、幾らなんでもアバウト過ぎだ……俺は今一どころか今十程イメージ出来んぞ?」
 キョンは顰め面のまま憮然と文句を口にした。
 今にも「やれやれ」と言いたげな表情が憎たらしいわ。
「何で、あたしの言いたい事が判らないのよ、バカキョン!!」
「お前の言ってる事が、曖昧で抽象的過ぎるんだよ!! まさかと思うが、自衛隊か何かの訓練にでも、参加する心算だったりしないよな?」
とキョンが発言した直後、古泉君が「あぁ、自衛隊でしたら、僕の知り合いにですね……」と、笑みを深くしつつ会話に加わってきたの。
 でも、あたしがそれに答える前にキョンは冷たく言い放つ。
「お前は黙れ、古泉」
「黙るのは、あんたでしょ!? どーして、何時も何時も文句を付けるのよっ」
「文句を言いたくなる事ばかり思い付くからだろ!?」
「な、なんですってぇ!!」
 
 もう、あたしの描いてるこの素晴らしいイメージが、何で古泉君に伝わって、この男には伝わらないのかしら?

 出来の悪い生徒を前にした新人教師の心境を味わいつつ、あたしが1人プンスカ怒ってると、チョッピリ考え込んでいた古泉君が顔を上げてキョンに声を掛けた。
 どーやら、あたしの言いたかった事をキョン相手に代弁してくれる心算らしい。

「涼宮さんが仰りたい訓練とは……それ程肩肘張った物では無くですね、例えば、ゲーム形式や競技形式で出来る物だと、僕は想像したのですが?」
「ゲームだと? 撃退訓練とやらに使えそうなのつったら……サバゲー程度しか思い付かんが」
「成る程、慧眼です……涼宮さん? サバイバルゲームなら助力を仰がずに自力でやる事も可能ではないでしょうか?」
「……サバイバルゲームねぇ?」

 漠然と鬼ごっこの様な形態を考えていたあたしは、キョンと古泉君のやり取りを聞いてキョトンとしてしまった。
 サバイバルゲームってモデルガンとかで撃ち合う奴でしょ? 
 腕組みをして頭の中でイメージしてみる。

 えっと……こんな感じかしら?

 銃を持って颯爽と駆け抜けるあたし。
 緊張しながら曲がり角でそっと辺りを伺うあたし。
 涙を浮かべキョンに向けて引き金を引いているあたし。
 血溜まりの中に倒れ臥すキョンへと縋り付くあたし。

……と、ハリウッドっぽい映像が次々と浮かんでは消えた。

 ……あれ? おや? むむっ、中々面白そう!!

 自分の描いたイメージに酔いしれつつ、あたしは満面の笑顔で言い放つ。
「流石は古泉君!! あたしが言いたかったのもそれなのよっ」
「お褒めに預かり光栄です」
 ニコリと微笑み芝居掛かった会釈する古泉君に、あたしは勢い込んで尋ねるの。
 強引にでも話を進めちゃおうっと。
「で、具体的にどーすればいいのかしら、古泉君?」

*****

 そして、古泉君主催の判り易いサバイバルゲーム教室が開催されたの。
 何かある毎に、一々異論を唱えるキョンを説き伏せながら、あたし達は暫し喧々諤々議論を重ねたわ。
 気が付けば、キョンも訓練に乗り気になってたりするんだけど、でもね、キョン? あんたが反論さえしなければ、もっとスムーズに話し合いが出来るんだけど? もう、どーして、あんたは一々文句を言わないと気が済まないのよ?
 そんな考えに促され、あたしは呆れて溜息吐きつつキョンに苦情を届けるの。

「何さ、何だか乗り気になったのかと思ったら、やっぱり文句を言うのね、あんたは?」
「……お前が色々と問題を起こさなけりゃ、俺だってサバゲーに集中出来るんだが?」
「な!? あたしが何時何処でどんな問題を起こしたって言うのよ!?」

 キョンのその挑発的な台詞にあたしは激昂した。

 あたしの様な平和主義者に対して、何て言い草なのかしら!? 

と思わずキョンを睨み付ける。
 その視線を柳に風と受け流し「やれやれ」と呟きながら、「先ずは初っ端のコンピ研との騒動だろ? それに……」とキョンの奴は、指折り数え、あれやこれやと事件と称するモノを挙げていく。
 その言動はまるで嫁の至らなさを指摘するために、重箱の隅を突付く小姑の如き細かさだった。
 まぁ、そんな事もあったかしら?と思いながら、あたしはその事実を綺麗さっぱり無視して、キョンの男らしくない神経質さを問題視する。
 さっき可愛いわねって感じたのは、絶対に気のせいなんだからね!!

「あんた、ホントに細かい事に拘るわねぇ……そんなに器が小さいと将来困るわよ?」 
「ほっとけ。これは俺の性分だし、更に言えば今のままでも一向に困らん」
「折角、団長が哀れな雑用を気にして“小さいと困るわよ?”って忠告してあげてるのに、バカキョン!!」

とあたしは憤然と腕組みをした。
 ところが、何故かみくるちゃんが今の遣り取りを聞いて真っ赤になる。そしてあたしをちらりと見てから、テテテとキョン近づきソッと耳打ち。
 ヒソヒソと二言三言短い会話を交わす2人。
 その直後、何故かキョンまで真っ赤になって大慌て。
 キョンはパイプ椅子から勢いよく立ち上がり何やら弁明を開始する。

「ま、待ってくださいっ、朝比奈さん!? あー、あのですね、えーとその、い、言い難いんですが、ハルヒの奴が言った小さいってのは人間性の事で……」
「え? に、人間性? ……あ、やだ、嘘ぉ」

とみくるちゃんは両手で口元を隠して絶句。
 お互いに困った表情のまま暫し見詰め合う2人。
 何気にいい雰囲気っぽいのが癪に障る。

 な、何よ? 何で見詰め合ってるのよ、あんた達!?

と内心湧き上がる形容し難い感情をエネルギーにして、強烈な文句を叩き付けようとあたしは息を吸い込んだ。
 それと同時に、再度ちらりとあたしを見たみくるちゃんは、
「ご、御免なさい!! わたし顔を洗ってきます!!」
とスカートを盛大に翻し部室を飛び出して行った。
 真っ赤な顔して俯いて。
 あたしは吸い込んだ息をそのままに、呆気に取られてみくるちゃんが開け放った扉を見詰めていた。
 さっぱり今の遣り取りが判らなかったあたしは、「やれやれ」と呟き席に座り直すキョンに質問。
「ちょ、ちょっとキョン? 何?今の? みくるちゃん、どーしたの? ……あんた、若しかして厭らしい事したんじゃないでしょうね!?」
「あー、いや、そんな事はしてないんだがな。まぁ、何だ、ちょっと盛大に勘違いしたらしくだな……済まんが、朝比奈さんの名誉のため、これ以上は詮索しないでくれないか? 俺も説明し辛い……」
 キョンはあたしから視線を逸らしボソボソと言い訳をする。
 本気で困ってるキョンを見て、このまま追求しちゃうか見逃しちゃうか迷った瞬間、絶妙のタイミングで古泉君があたしに語り掛けてきた。
 うーん、苦笑気味なのは気のせいかしら?
「涼宮さん? 先程のお話しですが、僕の親戚筋の人にその手の趣味をお持ちの方がおりますので、一式貸して頂くと言うのはどうでしょうか?」
「え?あ? そ、そーなの? ……流石は古泉君、ホントに色んな人を知ってるのね」
「お褒めに預かり光栄です。どうしますか? ゲーム専用フィールドもお借りしますか? 早めに予約しておけば問題ないかと思いますが?」
「フィールド?って場所の事かしら? それはいいわよ、だって、此処で遣るんだから」
 あたしはエッヘンと腰に両手を当てて当然とばかりに言い放つ。
 再び部室に流れる沈黙。
 でも、それを破ったのは困りきった口調で声を上げたキョンだった。
 何故か目頭を指で揉みながら、然も頭痛が痛くて斜面が斜めって言いた気な表情でね。
「あー、済まんが、ハルヒ? ……俺にはサバゲーを此処で、学校で遣ると聞こえたんだが、気のせいだよな?」
「あら、まだ耳は正常なのね? SOS団の防衛訓練なんだもん。ここで遣らないでどーする心算よ、あんた?」
「……ちょっと待て。お前、又々、生徒相談室に呼ばれて、ン時間教師達から説教を喰らいたいのか? 俺はだな……」
 心底呆れ返ったと云わんばかりの表情を浮かべ、幼子に教え諭す様な口調で語り掛けるキョン。

 ホントに心配性なんだから、この男は!! 

 そんな気持ちを込めて、あたしは元気良く言い放つ。序に拳をグッと握り締めて。
「ホントに馬鹿ね、キョンは……そんなん、バレなきゃいいのよ!! ねっ、そう思うでしょ、古泉君?」
「流石は涼宮さん、素晴らしい考えかと」
 「おいっ、古泉、お前いい加減に……」と、キョンが古泉君に噛み付こうとしている最中、あたしは更なる援軍を招集した。

「有希もいいよね?」
「いい」

 読書に勤しみながらの短い返事が聞こえた瞬間、キョンが絶句し固まるのを視界に納めつつあたしは宣言する。
 優しいあたしはキョンに反撃する機会を与えてあげないんだから。

「と言う訳で、賛成3人に反対1人、あ、みくるちゃんは棄権ね。オッホン、多数決によりこの訓練は校内で実行される事が可決されました」
「ちょ、ちょっと待てって……」
「いい事、キョン? 多数決ってこれ以上無い位民主的な方法で決まったのよ? ……若しそれでもどうしても何が何でも文句があるなら、訓練終了後文書にて提出して頂戴。文字数は100文字以上50文字以下でお願いね。ま、気が向いたら読んであげなくもないわよ?」

*****

 学校内でサバイバルゲーム形式の訓練を実行すると決まってからが、古泉君の真骨頂だった。
 開催日時や道具の準備等々、気持ちいい位次々と手配されていくの。
 あたしは報告を受けて了承するだけでよかった。
 何時もの事だといえば何時もの事だけど、ホント古泉君には頼りっぱなしだわ。
 訓練日は今度の日曜日に決定。
 実はその日、校内集中清掃で終日校内立ち入り禁止だって話だったんだけど、でも、古泉君はその業者さんにも伝があるらしく、清掃作業を中断して貰えたらしい。
 時間的にはお昼から2時位までは自由にしていいみたい。

「流石は古泉君、2時間もあればしっかりと楽しめ……ゴホン、練習出来ると思うわ!! ……うーん、でも、どういう遣り方がいいかしら?」
「僕は引き続き準備を進めますので、方法は団長である涼宮さんにお任せします。……あぁ、どうでしょう? 彼と相談されては?」
「えっ? キョ、キョンと?」
「えぇ、実は彼も乗り気になってると聞き及んでいますので、団長自ら声を掛けられればより一層……」
「ま、まぁ、古泉君が、そこまで言うなら、キョ、キョンと相談してあげてもいいわよ?」

と渋々仕方なく承知してあげながら、あたしは浮かれていくのを抑えられなかった。

 古泉君の様子が変なのも気になるけど……ふふっ、キョン相談かぁ。そー言えば、この手の事をキョンと相談した事は無い筈よね。うん、何やら新鮮で不思議な感じがする!! 偶には文句や反論だけじゃなく、前向きで建設的な意見を聞いてみたいわねっ。

*****

 そして、次の日。
 ホントは朝一から、キョンと話し合いをしたいところなんだけど、コイツの成績をこれ以上悪化させないためにも、授業の邪魔をしないようあたしは必死に耐え忍んだ。
 その甲斐あって、お昼を告げる鐘の音が聞こえるまで、キョンも寝る事無く真面目にノートを取っていたわ。
 「うん、団員の成績管理も団長の責任だもんね!!」とあたしは笑顔でキョンの背中をツンツンと突付き、「暴漢撃退訓練の中身を決めるから手伝いなさい」と命令する。
 怪訝そうなキョンに対し、あたしはソッポを向きながらプン剥れて告げるの。
「古泉君が、どーしてもキョンと相談してくれって言うから、嫌々仕方なくアンタを相談相手にしてあげるわ」

 本気で仕方が無いんだからね!!

って雰囲気を漂わせ、でも、内心はドキドキだったあたし。
 最初は顔を顰めていたキョンも、諦めたのか「弁当食いながら話すか?」って、のんびりと承諾してくれたわ。
 あたしは購買で買ったパンを、キョンはお母さん手作りの弁当を食べながら訓練内容を決めていくの。
 あたしとしては、鶴屋さんや谷口国木田って何時ものメンバーを入れて遣りたかったから、キョンにはそー告げたんだけど……。

「あのな? これはSOS団が敵に襲われた場合の訓練だろ? そこに部外者を入れてどうするんだ?」
「谷口達は兎も角、鶴屋さんは名誉顧問よ? 部外者じゃないでしょ?」
「…………」
「??? キョン? ……何、固まってるのよ?」
「あー、まぁ、何だ。えっとだな……あぁ、そうだ。俺達は正義の味方なんだろ? 正義の味方ってのは、人知れず、か弱き一般人を護る存在じゃないのか? その人知れずって所が大きなポイントだろ? 如何な名誉顧問とは言え鶴屋さんに、その秘密を明かしちまって巻き込む心算か、お前は?」
「むむむ……」
「ここは、鶴屋さんにも隠してだな、何時ものメンバーだけで、対処出来る様訓練すべきじゃないか?」

 「成る程、正義の味方ってば、1人苦悩しているイメージがあるわね」と納得したあたしは、正規団員だけで訓練しましょうと団長権限を行使して決定する。
 その後も昼食の合間を縫って、訓練形式やその内容を決めていくの。
 キョンと丁々発止の遣り取りを重ね、チーム対抗ではなく個人個人で状況に対処する方式を選択したわ。
 1番近いイメージは戦隊隊員1人1人が秘密結社の個人攻撃に晒されたって感じかしら? 
 むむっ、それじゃ、誰かが怪人役、若しくは悪漢役をしなければいけないわね? 
 ソレが出来るのは……。

「イメージ的にはキョンが1番適任なんだけど、でも、団長自ら団員指導をしなければ意味が無いわよね? だから、不審者役はあたしが遣ってあげるわ!!」
「は? てっきり俺が遣らされると思っていたんだがな、意外だぜ……まぁ、お前が遣りたいってんだったら止めんがな」
「……じゃあ聞くけどさ、あんた、有希やみくるちゃん、撃てるの?」

 あたしが呆れた口調でそう問い掛けると、キョンは暫し瞑想した後にドキッパリと言い切った。

「いや、無理だな。畏れ多くも天使や恩人に、そんな失礼な事は出来んし、何より銃口を向けるアノ後味の悪さと言ったら……」
 あたしが「ほら、御覧なさい。それじゃ訓練にならないでしょ?」と言おうとした矢先、キョンはふと気が付いたように呟いた。
「あぁ、ハルヒが相手だったら、何の悩みも無く銃口向けれるんだがなぁ」
「なっ!? ……何で、アンタはそんな事を言うの!? ちょっとは団長に対する敬意を持ちなさいよ!!って言うか、どーして、有希やみくるちゃんとあたしで、扱い方にそこまで差が付くのかしら!?」
「うむ、日頃の行いが根本的根源的原因としか答えようが無いな」

 ムッカツク!! 
 どーしてこの男は一言多いの!?

 腕を組んで何やら為たり顔のキョンを睨み付け、あたしは何時もの如く文句を叩き付ける。
 キョンも畏まればいいものを、渋い顔のまま色々と反論してくるもんだから、あたしもヒートアップ。
 だから、あたし達は教室内でギャアギャアと口論しちゃうの。そして、それは昼休みが終了するまで続いたわ。
 しっかし、クラスメートの誰もが「あぁ、またか……」って顔で平然としているのが、また腹立たしいわね。
と膨れっ面で空を眺めていると、弁当箱を仕舞いながら、キョンがやれやれとばかりに声を掛けてきた。
「……まぁ、なんだ、あー、確かに長門や朝比奈さんとの扱いに、差が有り過ぎだってところは、俺が悪かったのかも知れん」
 珍しく素直に自らの非を認めたキョンの発言に、あたしはあっさりと機嫌を直したらしい。
 我ながら単純だわと思いながらも、ここぞとばかりに笑顔を浮かべてキョンに命令を下す。
「ふん、判ればいいのよ。いい事、キョン? これからは今まで以上に団長を敬いなさい!!」
 「へぇへぇ……」とか何とか投げ遣りに返事を寄越し、前を向こうとするキョンの背中に、あたしは呼び掛けるの。

「さぁ、キョン? 午後の授業もしっかりと受けなさい。あの程度の成績で、あたしを納得させようたって、そーは問屋が卸さないんだから!!」

*****

 そして、訓練当日。
 皆には普段通りの格好で、普段通りの団活をするようお願いしてあるの。
 だって、団活の最中に校内で不審者が発見されたってシチュエーションが、訓練背景だって決めてたから。
 だから時間的には、皆部室に集まって団活を始めている筈。
 でも、あたしはちょっぴり別行動。
 一頻り校内を散策しながら、あたしはご機嫌だった。
 実はあたしは皆に黙ってある仕掛けをするため、指定時間よりも1時間程早く学校に来ていたの。
 その仕掛けには、きっとキョンだってビックリする事請け合いなんだから!!

「フンフーン♪ フフーン♪」

と思わず鼻歌が漏れたけど、それも当然なの。その悪戯とは別に浮かれちゃう理由があたしにはあったから。
 
 んん♪ 昨日は思いも掛けない人と出会っちゃったわね。あたし、どー思われたのかしら? 会話してた雰囲気としては、悪くは無い筈だけどなぁ……うーん、妹ちゃんに聞いてみようかな? でも、それも恥ずかしいわね。

 そんな事を思い返しながら、意識を訓練へと移し変え、最後にセッティングをした自分の教室から部室へと向かう。
 皆の、いえ、キョンの驚く顔を想像し自然とニヤニヤしながら。

*****

 軽快にスキップをしながら部室へと入ると、既に皆集合していたわ。
「遅れてごめーん、皆、おっ待たせ!!」
 あたしは元気に挨拶してから、スキップしながら団長席を目指したの。
 未だに浮かれ気分は持続中。
 鼻歌交じりに周囲を見渡すと、そこには見慣れた風景が広がっていた。
 きっと10年後でも、確実に思い出せる団活風景の一齣と言い切ってしまっても全く問題無し。
 
 念のために言っておくと、有希は読書でしょ、キョンと古泉君は長机でテーブルゲーム。みくるちゃんはメイド服で給仕中。ほら、何時も通りでしょ?

 全く違和感は無いんだけど……でも、みくるちゃんの格好にはちょっぴり度肝を抜かれたの。
 あたしは思わず声を掛けちゃったんだけど、でも、「普段通りってお話だったんで着替えたんですけど……」ってみくるちゃんの台詞を聞き、それもそうねと納得。
 みくるちゃんの微笑に急かされる様に、「じゃあ、訓練を開始するわよ!!」とあたしは元気良く宣言する。
「……ちょっと待て、ハルヒ? 実はだな、一昨日準備していたエアガンが1つも見当たらないんだ。お前、何か知ってるか?」 
 その宣言を遮る形でキョンが難しい表情をしたまま、あたしに問い掛けてきた。
 あたしはキョンの困った顔を見ながら、会心の笑顔が浮かぶのを自覚する。

「……その悪戯っ子じみた笑顔、やはりお前か? やれやれ……で、エアガンをどうしたんだ?」
「部室から開始だと面白くないかなと思ってさ、皆の教室に隠してきたの」
「……何だと?」

 呆気に取られた疑問系の呟きにニンマリしながら、あたしは得々と説明をしてあげる。
「だって不審者なんて何時来るか判らないのよ? それを部室から皆で拳銃片手にさぁ退治しましょ、じゃあ訓練にならないじゃない? それに……」
「それに、何だ?」
「きっとキョンと古泉君の事だもん、きっと作戦っぽい事考えてたんでしょ?」
 あたしが得意満面の笑顔で言い放つと、キョンと古泉君は顔を見合わせ苦笑する。
「流石は涼宮さん、全てお見通しですか」
「そりゃあ、あたしは団長だもん。団員の事なんて全てお見通しなんだからね!!」
 ニンマリと笑みを浮かべ、再度この訓練の目的を皆に告げる。
「もう1度状況を説明するわね。オッホン……北高に不審者が侵入したわ。ソイツの目的はSOS団のメンバーをやっつける事。だから、皆は反対にソイツをやっつけちゃいなさい」
「判ってるさ。不審者……詰まりはハルヒを撃てばいいんだろ?」
 キョンが「何度も説明せんでも判ってるぞ」と言わんばかりに肩を竦める。
 
 フフン、そー簡単に行くと思ってるのかしら、甘いわねキョン!!

 そんな思いを込めて、あたしは訓練の開始を再び告げる。

「それじゃ、今から訓練準備開始―!!」
「お、おいっ、エアガンはどうするんだ?」
「各自で回収するに決まってるでしょ? ……そうね、だったら順々に出発して頂戴。うーん、30秒程度の間隔でいいかしらね? んで、最後の人が出て行ってから、あたしも自分のエアガン取りに行くからね」

 あたしは「順々にだと?」と渋い顔のキョンを真っ先に部室から追い出した。
 経験則によると、絶対キョンの奴ってば文句を言う筈だもん。こんな気分のいい時に、五月蝿い小言はノーサンキューなんだから。
 ニコニコ古泉君、オッカナビックリみくるちゃん、普段通りの有希と皆次々に出発していくのを確認してから、あたしは1人頷くの。

 さてと、あたしも自分のエアガンを取りに行こうっと。

*****

 テッテケ……テッテケ……。
 あたしは隠しておいたエアガン——古泉君がM16とか言ってたっけ——を、キョンと初めてSOS団結成について相談した階段踊り場まで取りに来た。
 隅に押し込めていたダンボールをうんしょと引っ張り出す。
 
 え? 態々自分のを隠さなくてもいいだろ?……ですって? うーん、だってさ、皆のを部室から移動させて自分だけ部室に置いておくのって、何だか卑怯な気がしない? それに、そっちの方が断然面白そうじゃない!! 

 誰かに言い訳しつつ、あたしは1人ニンマリ微笑んで、段ボール箱に入れておいたエアガンと迷彩色に彩られたバンダナを取り出す。
 そして、トレードマークのリボンカチューシャを外し、その代わりにバンダナを握り締めた。
 昨日観たDVDのイメージが思い浮かべながら、あたしはバンダナをキュキュッと額に巻くの。何だか気合が身体中に充満して行く気分だわ。

 そう……この瞬間、最強の戦士が誕生したのよ!! 

 ふっふっふ、如何に手強い怪人でも倒せちゃいそうだわっ。ホント、何処かにいないかしら、怪人ってばさ? 今ならあたし、かなりウェルカムなんだけど?

「もぅ、怪人も気が利かないわね。こーゆー時に出てくるのが、ファンサービスってものじゃないかしら?」

と呟きながら手鏡で自分の戦士姿を確認した。
 我ながら似合ってるじゃないっ。
 バンダナの位置を微調整したりして、暫し兵士ルックな自分を堪能する。
 中々様になってるわねと満足しつつ、あたしはヨッコラセと立ち上がった。
 その直後、正午を知らせる鐘の音が響く。
 訓練開始の合図って皆には教えてあるんだけど、きちんと聞いてくれてるかしら? 
 聞き逃して無ければいいんだけど……もし可能だったら、1人1人に直接聞かせてやりたい所だわ。
 そんな思いと共に、あたしはギュギュっとエアガンを握り締めた。
 銃をあちらこちらへと向けて、突然現れた怪人と丁々発止の戦闘を繰り広げる自分を夢想し更に高揚するあたし。
 その気分に促されるまま、虚空に向かってズビシと指を突き付け元気良く宣言する。

「でも、万が一怪人が出てきたって絶対負けないわよ? だって、あたしは常勝不敗の無敵団長なんだからね!!」

 現れても居ない怪人に向かって一方的に勝利を通告し、「それにSOS団も武運長久百戦百勝なんだから!! あたしだけじゃなくって、団員も国士無双ばっかりなんだからねっ」と全宇宙に知らしめたい気分のまま、あたしはエアガンを抱きかかえ階段を颯爽と下る。


 そして、踊り場に着地した瞬間、ふと我に返った。

 ……先ずは何処に行こうかしら?

*****

「古泉君は部室で待機していて!! 直ぐにキョンも連れて行くから」
と古泉君にお願いして、あたしは校舎へ向かって突進した。
 古泉君の発案で、エアガンの試し撃ちを体育用具倉庫前でやったのはホンのちょっと前。
 古泉君も呆気に取られるその威力に、あたしもビックリしながら、でも、有希の改造だから当然よねと納得しちゃう。
 校内に駆け込み、これでキョンを撃つのよ!!と浮かれていたんだけど、唐突に、砕け散るベニア板の記憶が脳裏を過ぎった。
「……あれ? 若しかして、これで撃っちゃうと、キョンってば大怪我しちゃうんじゃないかしら?」
 急ブレーキを掛けて移動速度を落とし、あたしは渋い顔で考える。
「…………」

 ……やっぱりどー考えても、危ないわよね。

 如何なキョンと雖も、大怪我させるのは本位じゃないもん。
 「キョン君の成績は、あたしが責任持って面倒見ますから!!」と豪語した次の日に、団活で怪我させましたじゃ信用して下さい何て言えないわ。でも、不審者が手加減するのも可笑しいしなぁ……。
 あたしはエアガンを胸に抱き締めたまま「うーんうーん」と唸り続け、いいアイデアはないかしら? と思い悩む。
 悩みつつ、そのまま階段を登り廊下を進み、そして、曲がり角を全く注意せずに曲がった瞬間、誰かと正面衝突した。

 まぁ、今のこの校内に居るのは、あたしとキョンだけだからね、暈す必要は全く無いんだけど、でも、あたしは本気でビックリしちゃったの。
 あたしは想定外の衝撃と痛みに「きゃん!!」と悲鳴を上げ、あたしの正面で蹌踉めいているキョンも、「うおっ!?」と声を出していたわ。
 その声を聞く限りキョンも驚いているらしい。
 キョンは額を手で押さえながら、あたしはぶつけた鼻を手で撫でながら、互いを確認する。
 そして、あたしが何かを口にする前にキョンは小さく呟いた。
「何だハルヒか」
 あたしはその不満げな一言にカチンとくるの。
 何か文句を叩き付けようとした矢先、ジロジロと無遠慮にあたしを眺め回したキョンは呆れた様に感想を口にした。

「こりゃあ、感心する位に立派な不審者っぷりだな……」
「な、何ですって!? あんた、ぶつかっといて“何だハルヒか”ってどう言う意味!? それに立派な不審者って、それ褒めてないでしょ!?」

 一気に鼻の痛みが雲散霧消。
 心の奥底からメラメラと怒りの炎が燃え上がる。

 ホントにこの男は、どーして優しい気遣いが出来ないのかしら!? ホントにどーして、あたしはこんなヤツを……。

と自問自答していると、キョンはあたしの怒りに新たなエネルギーを注入してくれた。
「あー、そのだな、まぁなんだ、ぶつかったのが朝比奈さんじゃなくて良かったなって……」

 この無神経男……。

 このタイミングでみくるちゃんの名前を聞いたせいだと思う、神経の何本かが千切れ飛び、序に冷静さも消し飛んだ。
 さっきまで真面目に悩んでいた自分が馬鹿らしくなり、代わりに物騒な事を思い付くあたし。
 そー言えば、有希特製エアガン……実際に人体に向けて撃ったらどーなるのかしら? ちょっと、試してみたくなっちゃったわ……あら、目の前に丁度良さ気な標的が居るじゃない?

「へぇ……みくるちゃんじゃなくて良かった? ……詰まり、あたしならいいって言うのね?」
「い、いや、ちょ、ちょっと待て。あー、決して、そんな意味で言ったんじゃないぞ?」
「……ふっふっふ、人が可哀相だと思って、すっごく悩んでたのに。人の気も知らないで……キョンの馬鹿!!」

 あたしが有希特製エアガンを構えると同時に、
「ちょ、ちょっと、待てっ。落ち着け、ハルヒ!?」
とキョンが慌てふためき口走る。
 でも、あたしは全然気にする事無く、引き金を引き絞った。

 乙女の怒りを思い知りなさい!!

 あたしは原初的感情に任せて、後先考えず、「キョンの馬鹿」とばかりに銃口を左右に勢い良く振り回す。
 大量のBB弾が周囲を制圧し、轟音を立ててあちらこちらの物が破壊されていくのを、あたしは人事の様に捉えていた。
 そして、暫くしてからの事だった。
 煙っぽい鼻を刺激する嫌な匂いが、あたしを正気に戻してくれる。
 周囲の惨状に「うっわー、すっご……」と内心感想を漏らしていると、床からキョンの呻き声が聞こえた。
 まさか、怪我でも?と慌ててキョンの姿を確認しながら、でも「大丈夫!?」と声を掛けそうになった発声器官に、あたしは停止命令を出す。

 だって、悪いのはキョンだもんっ、絶対にあたしじゃない……筈……よね? 

 そして、そのキョンはと言えば、廊下に転がったまま唖然とした表情で周囲を確認しているの。
 ホッ……どうやら、無傷のようね。そ、それよりも、あんた、何、ビックリしているのよ? 
 そんなあたしの質問が聞こえた訳じゃないと思うんだけど、キョンは慌てて立ち上がり有希特製エアガンを指差して絶叫する。

「な、何だ、そのエアガンは!? 普通じゃ考えられん威力だぞ!? お前は俺を殺す気なのか!?」
 
 先ず気にする事がそれなの、アンタは!? 
 ……素直に謝れば、あたしだって鬼じゃないのよ? 
 許してあげなくも無いのに、このバカキョンは!?

「ふ、ふんだっ。キョ、キョンがあたしの気も知らないで、みくるちゃんの心配なんかするからじゃない!!」
と本音半分嘘半分の台詞が口から飛び出した。
 ついさっき、有希やみくるちゃんにも、団長の恐ろしさを理解させた所だからね、アンタにも判らせてあげるわ!!とあたしはキョンをズビシと指差した。

「いい事? 団長に対する不敬罪で、今からあんたを蜂の巣にしてあげるんだから!!」
「じょ、冗談じゃない!!」

と言い捨てて、キョンは普段から想像出来ない程、俊敏に背を向けて逃げ出した。
 その背中を見ていると、何やらあたしの中の狩猟本能が刺激される。

 逃げる獲物は追わなきゃね!!

「甘いわねっ、キョンッ。有希特製エアガンから、逃げ出せると思ってるのかしら!?」
「長門特製だと!?」

 有希の名前を出した瞬間、何でかキョンは目茶苦茶慌て出した。
 本気でビビってるみたいなんだけど……でも、何で?と疑問を感じながら、あたしはキョンの背中を追い掛けるの。
 
 ふふん、不敬罪で蜂の巣刑が確定している雑用を簡単に逃がすもんですか!!


  【キョンが傍に居なきゃ、絶対に……イヤ】 …… に続きます。
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  1. 2000/01/01(土) 00:00:00|
  2.  SOS団は狙われてるんだからね!!
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
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